・・・2009年定時総会報告・・・




街中「天地人」で賑う中で創立120周年式典等々開催

  今日の国際情勢に似て謀略と裏切りそして利を巡る戦国の世に在って、上杉景勝公に仕え愛を掲げ義を貫き、米沢で理想の国づくりを進めた、武将直江兼続の「天地人」展で賑う、「伝国の杜」大会議室で、社団法人米沢有為会第121回定時総会、創立120周年式典、記念講演会、懇親会が6月28日(日)開催されました。

  定時総会には米沢仙台合わせて50数名、東京からも31名の参加で例年より遥かに出席者が多く、緊張の内に5号までのすべての議案が粛々と承認されました。次に、恒例の「表彰」が行われました。受賞者は次の方々です。鈴木高明(精英堂印刷株式会社代表取締役社長)、城戸淳二(山形大学工学部研究科有機デバイス工学専攻教授)、小野健太(フェンシング部インターハイ出場予定)、置賜農業高校演劇部(第三二回全国高校総合文化祭優良賞)、大久保琳太郎(第三三回山形県選抜学童水泳記録会男子五十米平泳ぎ優勝)、以上の方々へ上杉名誉会長から賞状と記念品が手渡されました。

  引き続き創立120周年式典が厳粛な雰囲気のなかで行われ、下條会長が「改めて創立者伊東忠太博士を始めとする歴代会長のご尽力、上杉家のご温情並びにこの120年、無数の会員のご支援に感謝を申し上げたい。又、これからも本会の育英事業に益々のご協力をいただきたい」と挨拶されました。文部科学大臣、山形県知事のお祝辞が披露され(代読)、閉会、記念講演会に移りました。講師は城戸淳二 山形大学工学部教授、演題、「米沢から世界に発信する有機EL産業の将来」、専門的で難しい話を、中学生でも解かるようにと、ユーモラスな語り口に聞き入り、また、子供達に科学の楽しさを伝える教育者としての自らの使命についても語られました。先生は1989年、米沢に赴任、1993年、ノーベル賞級と言われる白色有機ELを発明、2003年、山形県が設立した「有機エレクトニクス研究所」所長就任、産学官連携地域産業振興に活躍されています。

  懇親会は会場を「城址苑」に移し大いに盛り上がりました。上杉名誉会長のご挨拶では、6月20日、長岡市でかつての大名家のご子孫、現代のご当主30家が集まり、「藩校サミット」が開かれたことを披露されました。このサミットは、2002年、江戸時代の最高学府、東京お茶の水「湯島聖堂」で始まったそうですが、かつて多くの日本人が持っていた精神文化の高さに思いをはせ、今の日本の世直しになればとの思いからでしょうか。会場は徳川宗家18代徳川恒孝氏を真ん中にして左右に各藩の殿様が並んだと伺いましたが、上杉様はどんなお気持ちだったのかお尋ねしてみたいと思った次第。また、城戸先生には、かつてのソニー創業者井深大氏のベストセラー「幼稚園では遅すぎる」を思い出し、講演では「科学への興味は、中学生から育め」と言われましたが遅いのでは・・などと宴席での無礼講とお赦しをいただき、戯言を申し上げました。以上充実した昼から夜にかけての報告です。

(米野 記)