<< 一覧にもどる

米沢有為会会誌・創立120周年記念号(平成21年)より
興譲館寄宿舎開設100周年記念 舎生OB寄稿文集

東京興譲館寮のこと

桜井 敏(東京興譲館 1994年(平成6年)入舎)



 米沢有為会創立120周年、興譲館寄宿舎設立100周年誠におめでとうございます。私は東京興譲館寮に4年間お世話になりました。今回は寮生活の思い出について寄稿のご依頼をいただきましたので、一部ではありますが述べさせていただきます。
 寮では年間を通して様々な行事がありました。特に思い出があるのは、早朝より行われる館内の大掃除、蚊に刺されないよう完全防備で臨んだグラウンドの草むしりです。眠い目をこすりながらの大変な作業でしたが、近所のラーメン屋の昼御飯を大変楽しみにしつつ頑張ったものでした。終わったその後は夜まで爆睡をしておりましたが・…学生にもなってなぜ?と思うこともありますが、これも寮生活の規則の1つということで今でもいい思い出となっています。自分なりに結構楽しんでいました。
 続いては寮生か大好きな飲み会です。年数回、寮ではコンパが開催されますが、毎回夜遅くまでの宴会、2次会も近くの居酒屋でまた一杯…4年間でどのぐらい酒を消費したのだろうと今でも考えるところです。普段でもどこかの部屋では酒盛りが始まり、吸い寄せられるように部屋に集まり、くだらない話や時には政治等の真面目な話で盛り上がることも度々でした。1人暮らしでは中々味わえない経験ができたと思っています。
 寮はテレビにも紹介されたことも思い出の一つです。地元の山形放送の情報番組で、東京にある県出身者が生活する寮を紹介するということで、ビデオカメラによる撮影依頼がありました。当時寮長だった私は寮生や寮母さんの出演のご協力をいただき、飲み会の様子や食事風景、周囲の環境等、寮の魅力を存分に伝えるべく、そして楽しみながら撮影をしたことを思い出します。地元での放送は結構好評だったと聞いております。

 

まだまだ書きたいことはありますが、字数の関係もありますのでこのあたりで。
 大学を卒業して十数年が過ぎましたが、今でも先輩や同期の方々との飲み会では、必ずと言っていいほど寮生活の話題で盛り上がります。それだけ寮生活というものが魅力のあるものだったのだろうと感じております。
 人とのつながりが希薄と言われる今日、寮という空間で規則と自由のある生活をしてきたことは私にとって大変貴重な経験であり、その経験がコミュニケーション等社会の様々な面で活かされていることを大変実感しているところです。
 これからも興譲館寮には新たな歴史を築いていただきたいと思っております。そして益々のご発展を願い、私の文章を終わりとさせていただきます。ありがとうございました。