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米沢有為会会誌復刊62号(平成24年9月)
興譲館だより(平成24年、2012年)

東京興譲館

相 田 拓 樹
 まだまだ残暑の厳しい節電の夏が続きますが、有為会会員の皆様はいかがお過ごしでしょうか。私達寮生につきましては、先日寮の各部屋にクーラーが設置され、節電を心がけながらも涼しく毎日を過ごしています。これは有為会会員の皆様のご理解とご厚意のおかげであり、寮生一同を代表して感謝の意を述べさせていただきます。  さて、今年度の東京興譲館の寮生は17名と、残念ながら満室とは程遠い状況ではありますが。しかし、新しく入った寮生たちもすぐに寮の空気に打ち解けあい、満室の頃と変わらない、むしろそれ以上かもしれない活気に満ちあふれています。  昨年の東日本大震災はとても悲しく、そして人間の無力さを思い知らされる世界的事件でしたが、同時に人と人との『絆』の重要性を私達に再認識させるきっかけともなりました。寮生も置賜地方出身者が大半とはいえ、それぞれ生まれ育った環境は少しずつ違います。そのため考え方の違いから衝突してしまう事もあります。しかし、ただ衝突するのではなく、相手と自分の異なる部分を認めたうえで、相手と自分の同じところを見つけ出していく。こうした作業が『絆』を生み出していくのだと思います。寮とはもちろん学生に生活の場を提供する場ですが、個人個人がぶつかり合い認め合い、『絆』を創っていくための場でもあると私は思っています。  残念なことに、空室が増えたことや電気料金の値上げ等の様々な原因が重なり、寮の会計が赤字になるという問題が発生してしまいました。  しかし、寮母の三浦さんの協力のもと、会計の山下君以下寮生が一丸となって、電気消費量の増える夏季に限り舎費を1500円値上げする、一人ひとりが節電節水を心がけるなど、小さな所からコツコツと、この問題の解決に取り組んでいます。  決して簡単に解決する問題ではありませんが、寮生としてこの問題に立ち向かう事は、今後社会で生きていく上での大きな糧となる事と思います。また、有為会建立の礎となった景勝公や兼続公、鷹山公そして茂憲公の精神を学ぶ機会でもあると思っています。  最後になりましたが、私達の家である東京興譲館を運営・支援してくださっている有為会の皆様に、改めて感謝の意を表したいと思います。そして、私達寮生の成長や社会への旅立ちを見守ってくださるようお願い申しあげます。  最後に寮生の紹介をします。

○4年生
 山田  伸〔法政大学工学部〕 (米沢興譲館高校)
 相田 拓樹〔明治大学文学部〕 (九里学園高校)
 佐藤 拓弥〔高千穂大学商学部〕 (米沢商業高校)
 玉橋 一馬〔東京理科大学理学部〕 (米沢興譲館高校)
 元木 康長〔法政大学法学部〕 (長井高校)
○3年生
 高橋  心〔電気通信大学情報理工学部〕  (米沢興譲館高校)
 冨樫 史博〔日本大学文理学部〕  (基督教独立学園高校)
 山下 智昭〔中央大学商学部〕  (米沢興譲館高校)
○2年生
 鈴木  亮〔東京農業大学短期大学〕 (南陽高校)
 松嵜 祐樹〔早稲田大学創造理工学部〕 (米沢興譲館高校)
 本田健太郎〔東京農業大学国際食料情報学部〕 (高畠高校)
 宮坂  圭〔中央大学商学部〕 (米沢興譲館高校)
○1年生
 小形 悠介〔東洋大学経済学部〕 (米沢興譲館高校)
 安部 雅俊〔中央大学法学部〕 (米沢興譲館高校)
 伊藤 幸太〔東京農業大学地球環境科学部〕 (米沢興譲館高校)
 江藤 修人〔東京農業大学国際食糧情報学部〕 (基督教独立学園高校)
 奥村  駿〔早稲田大学先進理工学部〕 (米沢興譲館高校)

舎生懇談会
舎生懇談会



仙台興譲館

遠 藤 季 理
 今年の夏は各地で暑さに豪雨にと悩まされる年でした。仙台でも気温が30度を超える日が連日続き、8月を過ぎても暑さが和らぐ気配が見えず、例年以上に厳しい夏となりました。  さて、仙台興譲館では今年度、春に新入寮生1名、9月に途中入寮生1名を迎え、総勢11名で生活しております。今年は春の時点で大学院生1名のみで、学部1年生の入寮者が1人もいないという、ここ数年では見られないほどの危機的状況でスタートを切りました。  寮生の減少については以前から危惧されており、最近は寮生が定員に満たない状態が続いていましたが、このままの状況では寮の維持ができなくなるという危機に直面し、寮生も積極的に活動をしなければいけないだろうということになりました。  まず、OB会の方との話し合いの場を設けていただき、なぜ入寮者が減っているのか、どうやって改善していくか、などを話し合いました。入寮者の減少には、やはり環境の変化が大きくかかわっているように思います。寮での生活というと、他人との共同生活ですから、個人の自由が制限されるものです。個人の自由やプライバシーの尊重が重視されるに伴い、それを窮屈に感じるひとが増加していることが、寮生活が選ばれにくくなっている1つの原因です。また、寮に入らなければ学校に通えないほど経済的に逼迫した家庭が減少していることも原因でしょう。しかし、原因はそれだけではなく、寮の知名度の低さも大きな要因であると考えています。これは以前から指摘されていたことですが、高校生やその保護者の問で寮の存在はあまり知られていないようなのです。実際に、現在の寮生の多くが、学校での情報よりも地元のネットワークや保護者同士のつながりによって入寮してきています。  このような要因をうけて、まずは寮の存在を知ってもらうことが大切であり、そのための活動をしなければならない、ということになりました。有為会の皆様には6月に、甲仙台支部長や寮OBの方々による、地元高校の保護者会での説明会を実現していただき、保護者の方に直接に寮を伝えていただきました。ありがとうございます。寮生会では、有為会だけでなく寮生からも積極的に情報を発信していかなければならないと考え、ホームページの立ち上げやポスターの配布などの活動に取り組みました。  我々寮生が伝えなければならないのは、寮での生活には共同生活の不自由を上回る良さがある、ということだと思います。現寮生がそう思うように、同郷の仲間や先輩と共に過ごし、同じ釜の飯を食べ、互いに意見を語り合うことで生まれる絆や、互いに切磋琢磨できる環境はかけがえのない貴重なものですし、共同生活でうまれる責任感や協調性は将来の人生で役立つものとなるはずです。過去の先輩方が卒業されてからもそのように語ってくださることが、その証拠だと思います。また、共同生活ならではの安心感があることも寮生活の良さだと思います。学校から帰ってきたときに食事があり、寮母さんや他の寮生が迎えてくれることで、我々は学生生活を安心して送ることができるのだと思います。  このような寮生活の良さを発信することで、一人でも多くの方に寮に関心を持っていただければと思います。  最後になりましたが、我々がこのような素晴らしい環境で生活することができるのは、甲仙台支部長、滝口仙台興譲館館長、御供前館長をはじめとする米沢有為会の皆様や、寮母の小野寺さんのおかげです。とりわけ寮母の小野寺さんには、毎日の食事のみならず、寮生の一人一人の健康を気遣っていただき、心から感謝しております。皆様への感謝の気持ちを胸に、今後とも一生懸命頑張っていきたいと思います。

○専門学校
 塩田  元[東京IT会計専門学校仙台校会計学科会計士コース]
         (山形大学人文学部人間文化学科) (山形東高校)
○大学院生
 島森 拓土[東北大学大学院理学研究科] (米沢興譲館高校)
 渡部 泰裕[東北大学大学院経済学研究科] 
(新潟大学経済学部経済学科)(米沢興譲館高校)
 寒河江祐也[東北大学大学院経済学研究科]
 (東北学院大学経済学部経済学科) (山形市立商業高校)
○大学4年生
 島貫 洋平[東北大学文学部人文社会学科] (長井高校)
 安部 玄樹[東北大学法学部法学科] (米沢興譲館高校)
 佐藤 丈洋[東北大学医学部保健学科放射線技術科学専攻] (長井高校)
 原田 学思[東北大学工学部機械知能・航空学科] (米沢興譲館高校)
○大学3年生
 遠藤 季理[東北大学経済学部] (米沢興譲館高校)
 太田 嵩人[東北工業大学工学部知能エレクトロニクス学科] (米沢中央高校)
○大学2年生
 黒田 啓太[東北大学法学部法学科] (米沢東高校)

今年度の新入寮生歓迎会
今年度の新入寮生歓迎会