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米沢有為会会誌復刊59号(平成21年12月)
興譲館だより(平成21年、2009年)

東京興譲館

滝 田 英 智
 にぎやかに夏の風情を感じさせた蝉達も声を潜めるようになり、頬をなでる秋風とともに、例年より少し早い秋の訪れが感じられます。勉学にも課外活動にも打ち込むことのできるような、大変すごしやすい季節になってまいりました。  さて、今年度の東京興譲館では入寮・復寮合わせて10名の舎生を迎え、全寮室が埋まって大変にぎやかな寮生活となっています。時代の流れとともに寮生活のあり方そのものが変化している昨今ですが、東京興譲館寮でも25名で新生活がスタートすることは久しぶりのことで、全員が楽しく意義のある大学生活を送っています。新入舎生たちは、最初は戸惑うことも多くあったようですが、人数も多いためか個性的で、それぞれがそれぞれの形で新しい生活に順応し、充実した毎日を送っています。  また、今年度はかねてから計画されていた寮の大規模改修工事が着工され、現在も建物の周りには工事用の覆いと足場が組まれています。夏休み前には舎生全員で大片付けをし、不要になったものの撤去を行いました。その中には非常に年季の入った書籍や家具などがあり、寮の長い伝統と先輩方の過ごした年月を感じずにはいられませんでした。夏休み中には居室の工事が終わり、11月の竣工を控え今後30年生活を送ることができるような立派な寮に生まれ変わる日を舎生一同心待ちにしている日々です。  寮生活では、学年はもちろん、出身高校や大学の異なる学生同士が一つ屋根の下で生活を共にしています。そのことで我々舎生は自分自身を成長させていくことはもちろん、舎生自らの手によって規律のある寮運営を作り上げ行っています。これは一言で言い表すことができないほどの大きな意味をもっています。活発で時に盛り上がって楽しむ雰囲気の中であっても、我々舎生は団体生活を通して、社会で求められる協調性・主体性を自然に 身についていくことができると考えています。もちろん、共同生活であるがゆえに従うべき規律や規則、務めなければならない仕事や役割分担があります。一人暮らしの生活とは違い、大変さを感じることもあるかもしれません。しかし、寮生活で得ることのできる先輩・後輩、また、ともに大学4年間を暮らす同年代の仲間の中で人間を磨き、自己を見つめ直すことは人生の中でなかなか得ることのできない絶好の機会であり、一人暮らしでは 絶対得る事のできない体験だと思います。  私たちがこのように充実した寮生活を送ることができますのも、館長の沼澤さん、副館長の川合さん、副館長兼事務の小林さん、寮母の三浦さんを初めとする米沢有為会の皆様のお力添えがあってこそのことだと思っています。とりわけ毎日のおいしい食事から一人ひとりの健康管理まで暖かい目を注いでくれる寮母の三浦さんには感謝の気持ちでいっぱいです。また、今回の大規模改修工事は、我々のみならず今後の世代にもすばらしい環境を与える大プロジェクトであり、舎生一同皆様のご援助に感謝しております。皆様の期待にお答えすることができますよう、各々高い目標を胸に抱いて、何事にも一生懸命取り組んでいきたいと思います。  最後になりましたが、寮生を紹介させていただきます。

○大学院1年生
  鈴木 浩晃〔関東学院大学大学院法務研究科〕 (泰星高校)
○4年生
  舟山 智徳〔東京外国語大学外国語学部マレーシア語学科〕 (長井高校)
  加膝 達也〔中央大学理工学部数学学科〕 (長井高校)
  後藤  真〔日本大学商学部商学課〕 (米沢東高校)
  進藤  洵〔玉川大学教育学部教育学科〕 (米沢中央高校)
  滝田 英智〔早稲田大学第一文学部総合人文学科〕 (米沢興譲館高校)
  豊嶋 貴大〔明治大学法学部法律学科〕 (山形東高校)
  宮内 周作〔専修大学経済学部経済学科〕 (米沢興譲館高校)
○3年生
  鈴木 浩輝〔慶應義塾大学法学部法律学科〕  (泰星高校)
  須藤 龍司〔明治大学農学部農業経済学科〕  (南陽高校)
  益満  望〔桜美林大学リベラルアーツ学部〕  (米沢中央高校)
  山田  伸〔法政大学工学部電子情報学科〕  (米沢興譲館高校)
  田中 大輔〔日本大学法学部管理行政学科〕  (日大山形高校)
○2年生
  後藤健太郎〔学芸大学教育学部B類英語学科〕 (米沢興譲館高校)
  中村 竜也〔国士舘大学法学部法律学科〕 (米沢中央高校)
  樋口  駿〔東京大学理科一類〕 (長井高校)
  舩山 宏樹〔立教大学理学部数学科〕 (米沢興譲館高校)
○1年生
  相田 拓樹〔明治大学文学部文学科〕 (九里高校)
  菊地 邦貴〔日本大学文理学部心理学科〕 (米沢興譲館高校)
  佐藤 拓弥〔高千穂大学商学部商学科〕 (米沢商業高校)
  島津 良輔〔東洋大学法学部企業法学科〕 (長井高校)
  玉橋 一馬〔東京理科大学理学部化学科〕 (米沢興譲館高校)
  松木龍太郎〔慶応大学文学部人文社会学科〕 (長井高校)
  元木 康長〔法政大学法学部法律学科〕 (長井高校)
  山田 渓介〔専修大学経営学部経営学科〕 (米沢興譲館高校)


仙台興譲館

荒 井 達 矢
 仙台興譲館では、今年度新入寮生を4名の寮生を迎え、現在13名で生活しております。今年の新入寮生はみな活発で寮生活にもすぐに打ち解け、充実した大学生活を送っているようです。前寮長を中心とした、昨年度の積極的な広報活動のおかげで4名の入寮生を迎えることが出来ましたが、在寮生減少による危機的状況を脱したとは言い切れません。時代の変遷とともに意識も変化し、今後も寮を選択するという人は減っていくでしょう。しかしながら、私たちには伝統ある仙台興譲館を引き継いでいきたいという強い思いがあります。ただ新入寮生を受け入れるのではなく、寮からも多くの情報を発信し、魅力ある寮生活を知ってもらわなければなりません。寮生活でしか得られない貴重な経験は沢山あり、私自身も寮生活を通して人間的に成長できたと感じています。より積極的な広報活動を行い、寮生が増えるように努力していきたいと思います。  ところで、仙台興譲館は自治寮として会計・厚生・防災・娯楽・ネットワークといった仕事を寮生で分担して行っています。寮生減をきっかけに係活動の見直しを行い、仕事内容の確認や人数分配の変更、そして寮生募集のため新たに広報係を設け、新体制で係活動にあたっています。その成果の1つに、清掃状況の改善があります。今年度は寮内の清掃状況が非常に良く、これは寮生一人一人が自覚を持って寮生活を送れている結果だと思います。毎月リーダー会議を行い連携を強化しています。各係の代表者が定期的に集まって、係活動の反省や寮生への連絡、要望などの情報を共有しています。寮母さんの意見も参考にしつつよりよい寮生活づくりを作りたいと思っています。さらに今年は書面化した規則を自分達で作成しました。これにより寮生一人一人が責任を持って行動することを自覚させました。  今年一番の変化は寮の大規模な改修を行ったことです。外壁や屋根といったところも行ったため興譲館寮は新しく生まれ変わったものと思います。工事に携わった方々を始め有為会の先生方にはこの場を借りて感謝いたしたいと思います。どうもありがとうございました。心機一転した寮とともにこれからの生活を興譲館寮生として恥じないように送りたいと思います。最後になりましたが、中條前仙台支部長、甲仙台支部長、御供仙台興譲館館長をはじめとする米沢有為会の皆様や寮母の小野寺さんのおかげで、我々はこのような素晴らしい環境で生活することができます。寮にかかわる皆様の思いを胸に抱き、何事にも一生懸命に励んでいきたいと思います。

○大学院生
  郷野 辰幸〔東北大学大学院医学系研究科保健学科専攻〕 (米沢興譲館高校)
  那須 譲治〔東北大学大学院理学研究科物理専攻〕 (米沢興譲館高校)
○4年生
  宇山 裕人〔東北大学法学部〕 (米沢興譲館高校)
○3年生
  荒井 達矢〔東北学院大学経済学部〕 (米沢中央高校)
  島森 拓土〔東北大学理学部科学科〕 (米沢興譲館高校)
○2年生
  高橋  玄〔東北福祉大学総合福祉学部社会福祉学科〕 (日本大学山形高校)
  塩田  紳〔東北大学法学部〕 (山形東高校)
  島貫 洋平〔東北大学文学部人文社会学科〕 (長井高校)
  宮坂  匡〔東北学院大学経済学部〕 (米沢中央高校)
○1年生
  青木 謙人〔東北大学工学部材料科学総合学科〕 (興譲館高校)
  安部 玄樹〔東北大学法学部〕 (興譲館高校)
  佐藤 丈洋〔東北大学医学部保健学科放射線技術化学専攻〕 (長井高校)
  原田 学思〔東北大学工学部機械知能航空工学科〕 (興譲館高校)