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米沢有為会会誌復刊58号(平成20年9月)
興譲館だより(平成20年、2008年)

東京興譲館

豊 嶋 貴 大
 埃っぽい臭いが立ち込める通り雨の後で、また鳴き出した蝉の声に肌の汗ばみを覚えます。文字通り温帯湿潤な毎日ですが、暑さに負けない熱さで日々の生活に取り組んでいきたいと思っております。  さて、今年度の東京興譲舘寮では、卒業生7名を含めて9名もの方が退寮ということで、どこか物寂しさが漂っていましたが、5名の新舎生が明るい風を呼び込み、現在は19名全員が楽しく有意義な寮生活を送っています。卒業された先輩方に関しましては、各自の得意分野を生かした更なるご活躍を期待して止みません。一方では、新舎生に関しましては、まだ慣れないことも多い大学生活、そして寮生活かと思いますが、目標を持って生活することで充実した毎日を自分の手で創造して頂きたいと思います。  寮生活では一人暮らしと異なり、月に1度の舎生会ヘの出席や共同風呂や廊下の清掃など共同生活を営む上での決まりがある生活になるかと思います。その点で他人を思いやり、譲歩し合うことが非常に大切であり、集団生活の不便さを感じることもあるかもしれません。しかしながら、ある時は時間を忘れて語り合い、ある時は寮の行事で盛り上がる、一つ屋根の下で生活を共にする仲間の存在は一人暮らしでは得られない貴重なものだと感じます。また、そのような横の関係のみならず、先輩・後輩という縦の関係を学ぶ絶好の機会であり、社会に出てからも寮で培った人間力は発揮される点で寮生活は大いに有意義であると思います。  また、当寮は自治寮であり、委員長、会計、文化厚生から成る委員会で運営しております。この点について寮生各自の認識が必須ですが、それとともに、学生の寮生活を温かい眼差しで見守って下さる、館長の沼澤さん、副館長の川合さん、副館長兼事務の小林さん、寮母の三浦さんを始めとする多くの方々のご協力により、充実した寮生活を享受できていることへの感謝を忘れてはなりません。とりわけ、毎日工夫を凝らした夕食を作って下さる寮母の三浦さんには、ありがたい気持ちでいっぱいです。  私たちが健やかに大学生活、寮生活を送ることができますのも、米沢有為会の皆様のご援助があってのことであり、寮生一同大変感謝しております。皆様のご期待に添えますように、これからも勉学に励みつつ、各自、夢に向かって前進を続けたいと切に願う次第ですので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。  最後になりましたが、寮生を紹介させていただきます。

○4年生
  小形 剛弘〔慶応義塾大学商学部〕 (米沢興譲館高校)
  折原 寛樹〔慶応義塾大学理工学部応用化学科〕 (山形東高校)
  濱田 惇郎〔東京工芸大学芸術学部ヒューマンプロダクト学科〕 (山形中央高校)
  船山 智徳〔東京外国語大学外国学部マレーシア語学科〕 (長井高校)
  山田 峻矢〔明治大学政治経済学部地域行政学科〕 (米沢興譲館高校)
○3年生
  加藤 達也〔中央大学理工学部数学学科〕 (長井高校)
  後藤  真〔日本大学商学部商業学科〕  (米沢東高校)
  進藤  洵〔玉川大学教育学部教育学科〕 (米沢中央高校)
  滝田 英智〔早稲田大学第一文学部総合人文学科〕 (米沢興譲館高校)
  豊嶋 貴大〔明治大学法学部法律学科〕 (山形東高校)
  宮内 周作〔専修大学経済学部経済学科〕 (米沢興譲館高校)
○2年生
  鈴木 浩輝〔慶応義塾大学法学部法律学科〕 (泰星高校)
  須藤 龍司〔明治大学農学部農業経済学科〕 (南陽高校)
  益満  望〔桜美林大学リべラルアーツ学部〕 (米沢中央高校)
  山田  伸〔法政大学工学部電子情報学科〕 (米沢興譲館高校)
  田中 大輔〔日本大学法学部管理行政学科〕 (日大山形高校)
○1年生
  後藤健太郎〔学芸大学教育学部B類英語学科〕 (米沢興譲館高校)
  中村 竜也〔国士舘大学法学部法律学科〕 (米沢中央高校)
  樋口  駿〔東京大学理科一類〕 (長井高校)
  船山 宏樹〔立教大学理学部数学科〕 (米沢興譲館高校)





仙台興譲館

宇 山 裕 人
 日本中が盛り上がった北京オリンピックも閉幕し、それにあわせるかのように夏の暑さも落ち着きを見せ始めるようになりました。  さて、仙台興譲館では、今年度入寮・復寮合わせて4名の寮生を迎え、現在11名で生活しております。今年の新入寮生はみな活発で寮生活にもすぐにうちとけ、充実した大学生活を送っているようです。  今春は卒寮生が多く、在寮していた16名のうち9名が寮を去りました。前寮長を中心とした、昨年度の積極的な広報活動のおかげで4名の入寮生を迎えることが出来ましたが、危機的状況を脱したとは言い切れません。時代の変遷とともに意識も変化し、今後も寮を選択するという人は減っていくでしょう。しかしながら、私たちには伝統ある仙台興譲館を引き継いでいきたいという強い思いがあります。ただ新入寮生を受け入れるのではなく、寮からも多くの情報を発信し、魅力ある寮生活を知ってもらわなければなりません。寮生活でしか得られない貴重な経験は沢山あり、私自身も寮生活を通して人間的に成長できたと感じています。より積極的な広報活動を行い、寮生が増えるように努力していきたいと思います。  ところで、仙台興譲館は自治寮として会計・厚生・防災・娯楽・ネットワークといった仕事を寮生で分担して行っています。寮生減をきっかけに係活動の見直しを行い、仕事内容の確認や人数分配の変更、そして寮生募集のため新たに広報係を設け、新体制で係活動にあたっています。その成果の1つに、清掃状況の改善があります。今年度は寮内の清掃状況が非常に良く、これは寮生一人ひとりが自覚を持って寮生活を送れている結果だと思います。また、昨年度各係にリーダーを設けたのですが、今年度からはリーダー会議を行うようにしました。各係の代表者が定期的に集まって、係活動の反省や寮生への連絡、要望などの情報を共有しています。リーダー会議には寮母さんにも加わってもらい、よりよい寮生活づくりを手助けしていただいています。  寮母さんである小野寺眞知子さんは今年で3年目になります。パワフルでいつも寮生を元気づけてくださいます。寮生にはきめ細やかな心遣いをしてくださり、毎日の食事はとてもおいしく、感謝の思いでいっぱいです。  最後になりましたが、中條仙台支部長、御供仙台興譲館館長をはじめとする米沢有為会の皆様や寮母の小野寺さんのおかげで、我々はこのような素晴らしい環境で生活することができます。寮にかかわる皆様の思いを胸に抱き、何事にも一生懸命に励んでいきたいと思います。