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米沢有為会会誌復刊52号(平成14年6月)
興譲館だより(平成14年、2002年)

東京興譲館

高 木 和 彦
 東京では、あっという間に満開となった桜も、早々と散っていき、近頃ではもう夏を感じさせる気候になってきました。東京は、米沢と違い、あまり季節の変化をなかなか感じることはできません。  そんな私達に、唯一春の訪れを感じさせるのは、新しい寮生が入って来ることでした。今年は例年より応募人数も多く、新3年生が1名、新1年生が8名と、合計9人もの新入舎生が入寮してきました。私達が入寮してきた頃に比べ、人数も増え、大変にぎやかで楽しい日々になっています。  さて、寮生活というものは、共同生活を行う場であり、一人暮しと違って、規則が多少なりともあることは確かです。しかし、住んでいる寮生達が親しくなり、一人暮しからでは体験できない信頼や友情が芽生えるのは、寮生活においての利点ではないでしょうか。  東京に限らず、アパートなどで一人暮しをしていると、何年も住んでいながら隣人の顔も分からず、話もしたことがないというようなことがよくあり、お互いに過剰な遠慮をしながら生活しなければならないことがあったりしますが、寮ではその様な気兼ねはほとんどなく、どこかの部屋に行き、話し相手になってもらったりもしています。共同生活である以上、何でも好き勝手に出来るというものではありませんが、自由でありながら孤独を感じない生活。他ではなかなか体験できないのではないでしょうか。  また、昨年の秋から館長が金子館長から沼澤新館長に代わり、副館長も菊地副館長が一人増えました。沼澤新館長は、忙しい中、仕事と館長を両立しており、大変な仕事の時間を削いて寮の会議等に出席していただいています。館長の「イキイキワクワク」という言葉のもと、より良い寮を築けたらいいと思います。  当寮は、様々な大学に通う学生が生活しており、他大学の事も比較的容易に知ることができ、寮生活そのものが他大学の交流の場であるとも言えます。ただ大学と違う事は、生活パターンも寮生一人一人によってかなりばらつきがでるということでもあり、これをまとめて寮を成り立たせていくためには、それなりの努力や工夫が必要となります。そのために、内部の運営のほとんどは委員長、会計、文化厚生、庶務からなる委員会を中心に月1回行われる舎生会とよばれる会議を開き、寮生からの要望を聞いたり、運営状況の報告や問題解決のための話し合いを行ったりしています。また、新入生歓迎コンパ等の年に数回のコンパでは、お酒を酌み交わしながら楽しく飲み、普段、言えない事等を話したり、語り合ったりしています。  大学生活の4年間は、学問以外にも学ぶことが多いでしょう。寮生活は確実にその一部を担うものでありますし、ここで得たものは、社会に出てからも大いに役立つことでしょう。  なお、昨年秋、舎生でインターネット(ADSL)を計画していたところ、NSK㈱情野文男社長(当会理事)のご配慮により、日本施設サービス㈱倉内暉征代表取締役からご指導と、器材及び配線工事まで、多大なご援助をいただき、無事開通しました。厚く御礼申し上げます。今後とも有効に活用させていただきます。  有為会の皆様には、様々な援助を賜り、寮生一同大変感謝しております。また、私達寮生は皆様のご期待にお応えするべく、努力、精進していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。  最後に寮生を紹介して終わりたいと思います。

 ○4年生
  赤間 敬太(明治大学文学部史学地理学科)
  佐藤 貴之(法政大学経済学部経済A学科)
  高本 和彦(拓殖大学商学部貿易学科)
  高橋  聡(駒沢大学経済学部商学科)
 ○3年生
  相田  寛(慶應義塾大学法学部法律学科)
  後藤  大(大正大学文学部史学科)
  今野 滋夫(明治大学農学部農業経済学科)
  鈴木 勝士(専修大学商学部商業学科)
  鈴木 洋介(一橋大学社会学部)
  平  洋一(電気通信大学電気通信学部電子工学科)
  高橋 正人(千葉商科大学商経学部商学科)
 ○2年生
  泉瀧 雅樹(国学院大学法学部法律学科)
  工藤 雅人(早稲田大学教育学部社会科)
  酒井 龍太(東京工科大学メディア学部メディア学科)
  皆川 貴政(国学院大学経済学部経済学科)
○1年生
  皆川 直之(東京農業大学国際食料学部経済学科)
  後藤  悠(東洋大学法学部企業法学科)
  遠藤 敬紀(法政大学工学部システム制御学科)
  土屋 秀憲(東京学芸大学教育学部A類理科学科)
  平 健一郎(法政大学工学部土木工学科)
  柴田 大介(東京工業大学第一類)
  島貫 隆明(東京農工大学農学部生物生産学科)
  佐久間隆介(立正大学心理学部臨床心理学科)


仙台興譲館



今年の仙台は例年より早い桜の開花で、4月も中頃になると暖かい日が続いています。  今年度、寮では4名の先輩が退寮されて寮生が少なくなる心配がありましたが、7名の新入寮生を迎えることができて安心しました。全員で15名になります。 新入寮生は早くも寮に慣れ、非常に活動的です。1年生に刺激されて、休日に集まってサッカーや野球をした り、夜に食堂で勉強の議論をする者がいたりと、なかなか充実した毎日です。  寮運営は、会計、娯楽、食事、電話、防災という係りを分担して行っています。定期的に行われる寮生総会で運営状況の確認と意見の交換をすることで、よりよい生活環境にするための話し合いをします。  自治寮では、一人一人が集団の中での役割を自覚して責任ある行動をとることが大事です。さらにできることなら、寮母さんや係りの人に任せきりではなく協力していく姿勢、全体のことを考えた行動は、難しいことですが素晴らしいことだと思います。  寮母の森おばさんは寮生全員への気配りを絶やさない方です。おばさんの作ってくれる食事は寮生に好評で、休日の食事のない日などもおにぎりを作ってくれますし、洗濯や掃除など、生活の中でもきめ細かいアドバイスをもらうこともあります。  こうして、寮母さんをはじめ米沢有為会の皆様といった寮に関わって力を尽くされる周りの方々から思いやりを感じているからこそ、学校でも生活でもより一層勉学に努めなくてはという思いが湧いてきます。  仙台興譲館という育英の場を与えてもらったからこそ、寮生同志が互いに協力しながら集団生活のルールを学ぶなどの「学問以上の学び」の場として、後輩に受け継がせていきたいと思います。  最後に寮生全員を紹介して締めくくりたいと思います。

○大学院 今井 良宗(東北大学工学研究科)
  2年生 高橋 義洋(東北大学工学研究科)
      我妻 文博(東北大学工学研究科)
○4年生 加藤 法弘(東北大学文学部)
      小林 匡洋(東北大学医学部)
○2年生 大比良雄大(東北大学理学部)
      船山 俊介(長谷学園長谷柳絮福祉専門学校)
      村山 瞬介(仙台リゾート&スポーツ専門学校)
○1年生 伊藤 容祐(東北学院大学文学部)
      小川 尚人(東北学院大学文学部)
      郷野 辰幸(河合塾文理)
      小関 大揮(東北大学薬学部)
      那須 譲治(東北大学理学部)
      長谷川 司(東北学院大学経済学部)
      山岸  瑛(東北大学工学部)