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米沢有為会会誌復刊51号(平成13年6月)
興譲館だより(平成13年、2001年)

東京興譲館

香 坂 洋 平
 今年の冬は「暖冬」と言われていましたが、米沢は何十年振りの記録的な大雪、東京も寒い日が多く、東京でも米沢でもかなり厳しいものでした。雪が溶けるとその厳しさも忘れてしまい、桜に春に酔いしれてしまいます。  そしてもう1つ、冬から春への移りかわりを感じさせるのが、別れと出会いでしょう。今年は3名の先輩の卒業と5名の新入生の入寮がありました。先輩の方々にはこれから厳しい社会の中、今までと違う環境の中で生活されるわけですが、忙しさやつらさに負けずに頑張っていただきたいと思います。また、新入生も米沢から東京に出てきての不安、さびしさはあると思いますが、一日も早く寮になれるよう、これからお互いに助け合って頑 張っていきましょう。  さて、我々の生活している東京興譲館は、東北大学生が殆んどの仙台興譲館と異なり、数多くの大学に通う学生がおり、その点で巾広い交流が可能と言えます。部活にサークル活動に励む者、自分に必要な知識について黙々と勉学に励む者、通学時間も様々で、その生活パターンの違いはありますが、同じ米沢地方出身と言うこともあり、みんなとても楽しく生活しています。  当寮では、4月の吉祥寺から当寮までの、1、2年生による恒例の早朝マラソン大会をはじめ、春秋の内外の大掃除、10月の寮祭等の行事があります。中でもコンパは、新歓、七夕、開館記念、成人、追い出しと年に5回行われます。寮で飲む時が、一番安心して気持よく酔うことができます。これからも、みんなと楽しく語りあえる寮でありたいと思います。  また、寮生活であるからには、共同生活であり、ルールや取決め事項など多少の拘束があるのは当然のことです。委員会を中心とした日常の寮運営について、寮生全員が協力協調し、責任をもって自分の役割を果たさなければ成り立たないと言えます。これらの経験は、一人暮しでは得難いものであり、将来の人生において、必ず役に立つ時が来るものと思います。  皆様のご期待にそえるよう勉学に寮生活にと努力をしていきたいと思っております。よろしくお願い申しあげます。  最後に寮生を紹介して終わりたいと思います。

 ○4年生
  金田  健(一橋大学商学部)
  坂野 俊也(東京外国語大学外国語学部ベトナム語科)
  渡辺  哲(東京農業大学農学部国際農業開発学科)
  香坂 洋平(東京農業大学応用生物学部醸造科)
 ○3年生
  赤間 敬太(明治大学文学部史学地理学科)
  佐藤 貴之(法政大学経済学部経済A学科)
  高木 和彦(拓殖大学商学部貿易学科)
  高橋  聡(駒沢大学経済学部商学科)
 ○2年生
  相田  寛(慶應義塾大学法学部法律学科)
  後藤  大(大正大学文学部史学科)
  今野 滋夫(明治大学農学部農業経済学科)
  鈴木 勝士(専修大学商学部商業学科)
  鈴木 洋介(一橋大学社会学部)
  高橋 正人(千葉商科大学商経学部商学科)
 ○1年生
  泉瀧 雅樹(国学院大学法学部法律学科)
  工藤 雅人(早稲田大学教育学部社会科)
  酒井 龍太(東京工科大学メディア学部メディア学科)
  寒河江 徹(日本大学文理学部教育学科)
  皆川 貴政(国学院大学経済学部経済学科)

仙台興譲館



 今年の仙台は、近年に例がない大雪に見まわれましたが、厳しい冬であるからこそ春を迎える喜びもまた一段と大きなものとなります。4月に入ってからは、連日暖かい日々が続き、あっという間に満開になった桜は、早々と散ってしまい、新緑の候となりました。さて、春は出会いと別れの季節と申します。今年は5名の方が退寮なされ、寮運営が危ぶまれたものの、大比良君、村山君、船山君という3名の新入寮生を迎えることができまし た。新入寮生を3人以上迎えるのは、わが寮にとって3年ぶりのことで、久し振りににぎやかな新入生歓迎コンパを行うことができました。  とはいえ喜んでばかりもいられません。現在、仙台興譲館に在寮している寮生は、一時退寮している者を含めても11名であります。(私が1年生時は、23名)。この寮は、自治寮であり、各寮生が寮長・会計・娯楽・厚生・防災・食事・電話という係を分担して行っております。寮には、3年生の中の一人が寮長を担当するという慣例がありましたが、今年は3年生の寮生がおらず、1年生と卒業年度の者を除くと、私を含め2名だけということで、私が一昨年に続き2度目の寮長を担当することになりました。寮生の減少に伴って、各係の負担は増大し、寮費も増加しており、寮の現状は、寮運営・寮費の両面において、大変厳しいものがあります。そんな中、寮にとって明るい材料もあります。ここ数年、寮生のほとんどは興譲館高校出身の東北大学生であったため、そうでない者は、入りにくいということがありました。実際、寮生の一人である樋口君(長井高校出身)は、仙台興譲館は興譲館高校の寮で、そうでない者は入れない、と思っていたそうです。しかし、今年は2名の専門学校生を迎えることができました。また、寮生の出身高校は興譲館高校、長井高校、米沢東高校、長井工業高校とさまざまとなり、もはや前述のような雰囲気はありません。来年度は置賜の全ての高校に呼びかけ、寮生を募集していこうと考えております。  こういった問題を抱えてはいますが、寮生活は快適かつ円滑であります。先輩後輩の上下関係もいい意昧でありませんし、OBの方々も気軽に遊びにいらっしゃいます。食事は、とてもおいしく、量的にも十分です。これに関しては、寮母である森良子さんのおかげです。自治寮とはいっても、森さんの力無しでは快適な寮生活を送ることはできません。寮生一同森さんには、大変感謝しております。いつまでも元気で寮にいてもらいたいと願わずにはいられません。また、寮内行事は花見、新歓コンパに始まり、年2回の合同コンパ、ボーリング大会、忘年会、新年会(追いコン)、温泉旅行と楽しい行事が目白押しです。  寮とは、共同生活の場であり、一人暮らしとは違い多少の制約を受けることは確かで、仙台興譲館も自治寮という性格上そのような側面もあります。しかし、寮でしかできないこと、寮でしか学べないこともたくさんあります。寮生活を通して得た経験は、社会に出たときに必ず役に立つものであると確信しています。とはいえ、寮というとどうしてもいやなイメージが先行してしまいます。この寮も、数年前まではほぼ毎晩に及ぶ酒宴・麻雀が行われており、この寮に入ると卒業できないというレッテルがはられてしまいました。しかし、現在はそのようなことは全くありません。全員毎日学校に行き、留年を繰り返す者はいなくなりました(当たり前のことかもしれませんが…)。皆様には曇りなき眼でこの寮を見守っていただければ幸いです。  最後になりましたが、我々がこのように良い環境のもと生活を送ることができるのは、寮母森さんと中條仙台支部長、御供仙台興譲館館長をはじめとする米沢有為会の皆様のおかげです。我々は、恵まれた環境の裏に、米沢有為会の皆様の長年に亘る援助を忘れず、皆様の期待にお応えするべく勉学に励んで行きたいと思います。

大学院 今井 良宗(東北大学工学研究科修士課程1年)
     高橋 義洋(東北大学工学研究科修士課程1年)
4年生 加藤 法弘(東北大学文学部)
     小林 匡弘(東北大学医学部、一時退寮中)
     四釜 淳悟(東北大学理学部)
     丹野 将敬(東北大学工学部)
     樋口 正顕(東北大学工学部)
     大沼  宏(東北大学薬学部)
1年生 大比良雄大(東北大学理学部)
     船山 俊介(長谷学園長谷柳絮福祉専門学校)
     村山 瞬介(仙台リゾート&スポーツ専門学校)