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米沢有為会会誌復刊47号(平成9年6月)
興譲館だより(平成9年、1997)

東京興譲館

 今年の東京の冬は「暖冬」という表現がぴったりで、雪が積もることもほとんどなく、いつ冬が終わり、春がやって来たのかが分からないような、季節感のないものでした。しかし、それを我々寮生に感じさせる唯一のものは、御世話になった3人の先輩方の卒業と、12名という大人数の新入生の入寮であったと思います。先輩方はこれから、今までと全く違う環境の中で生活されるわけですが、忙しさやつらさに負けずがんばっていただきたいと思います。また、1年生も同様に親元を離れ生活する不安・さびしさもあると思いますが、それで自分の目的を見失わないようにがんばって欲しいと思います。上級生がその手助けを少しでも出来れば良いのではないかと思っています。  さて、我々の生活する東京興譲館は、色々な大学に通う学生が生活しています。遠くまで時間をかけて大学に通う者、部活動やサークル活動に励む者等々、全員が全く違う一日を日々過ごしています。これらを統制して規律正しく生活するために、当寮では学生全員で寮を運営しています。具体的には、委員長・会計・庶務・文化厚生・広報からなる委員会を中心に月1回舎生会を開き、生活環境の改善・寮内の問題の解決などを図り、全員が安心して生活できるようにと努力しています。また、新入生歓迎コンパに代表される年数回のコンパでは、お酒を酌み交わしながら楽しく先輩・後輩・館長全員で様々な事を語り合ったりしています。  大学での勉強・部活動で自分を磨くのは当然ですが、東京興譲館という寮を通しても、全員で切磋琢磨し自分を磨き、今まで以上に飛躍できれば良いと思います。また、全員が他の仲間を気遣って生活し、自由で活気溢れる寮になればいいなと思っています。  最後になりますが、28名の寮生を紹介して終わりたいと思います。
東京興譲館委員長 今 成  淳
  ○4年生
   今成  淳 (法政大学経済学部)
   高野 裕樹 (日本大学経済学部)
   宮川 憲之 (武蔵野美術大学建築学科)
 ○3年生
   梅津 幸輝 (大正大学文学部)
   加藤 紀一 (専修大学経営学部)
   後藤 善彦 (法政大学経営学部)
   武田 洋一 (国学院大学経済学部)
   中村 智和 (亜細亜大学経済学部)
   眞島 秀和 (国士館大学法学部)
   山木 哲郎 (駒沢大学文学部)
○2年生
   有路  正 (青山学院大学経済学部)
   市川 武志 (亜細亜大学経済学部)
   遠藤 洋幸 (国士館大学文学部)
   高橋 陽平 (大正大学文学部)
   堤  道永 (電気通信大学電気通信学部)
   星  優介 (学習院大学経済学部)
○1年生
   五十嵐 元 (帝京大学文学部)
   宇佐美直人 (駿河台大学文化情報学部)
   遠藤 健治 (専修大学商学部)
   加藤  真 (東京経済大学経済学部)
   金田  健 (一橋大学商学部)
   川村  拓 (北里大学医療衛生学部)
   坂野 俊也 (東京外国語大学外国語学部)
   白石 敏行 (駿河台大学経済学部)
   半田 真也 (青山学院大学文学部)
   丸山 隆行 (早稲田大学政治経済学部)
   森谷 優貴 (中央大学理工学部)
   渡辺  哲 (東京農業大学農学部)
                            





仙台興譲館


 春です。仙台では、例年になく早く桜が開花し、満開の桜の下で花見をすることかできました。1年生に、日本酒による洗礼を受けさせるべくのぞんだのでしたが、実際には私が最初につぶれることになり、みんなに大変迷惑をかけることになりました。ともあれ、桜の下での花見は最高でした。今年は4名の新入寮生を迎えました。仙台興譲館の持つ、独特のいい雰囲気の中で、4名がそれぞれの個性を発揮し、すでに、寮に溶け込んでいるようです。  さて、寮でここ数年問題となっているのは、寮母さんの高年齢化と、寮生の人数の安定的確保です。寮母さんについてですが、私達は20年に亘り、寮を支えてきてくださっている寮母さんに対して、言い表せない程感謝しています。以前なら、寮母さんに感謝して、自分達は学問や遊びに専念していればそれでよかったのかもしれません。しかし、いつまでやっていただけるのか、不透明な中で、私達も寮について真剣に考えるべき時が来ています。つまり、寮の管理、運営の難しさ、大変さを知らなければならないのでは、ということです。私達の気付かないところで、寮母さんが寮のためにどんな活動をしてきているのか、ということです。不測の事態に備えて、寮母さんの代役を果たすことができるのか、寮生一人一人が考えるべきです。ややともすれば、男子寮として、煙たがられ兼ねないこの寮が、八幡町という地域の中に市民権を持ち得るのは、寮母さんの築いてきたネットワークのおかげだということも考えなくてはなりません。自治寮といっても、不完全なものです。寮生にはさらに積極的に寮母さんとコミュニケーションをとって、何かを学んでほしいと思います。  次に寮生の安定的確保ですが、今年度末には9名が退寮する見込みで、来年度以降寮生は激減する恐れがあります。寮生活がきちんとした形で成り立つには20名は必要です。コスト面からも、また、寮の性格上、個室の増加はコミュニケーション上望ましくないと思うからです。寮の良さをきちんとアピールすれば、入寮生は確保できると考えています。どんな形でアピールするか寮生みんなで話し合い、今年は何らかの行動を起こします。  去年、今年と1人ずつではありますが、在学途中で寮を自分の意志で退寮する者が出ています。4年間在寮という原則にもかかわらず、引き止められなかったことに対し、お詫びいたします。「自分の生活リズムの中で生活したい」との思いから・A一人暮らしを選んでいるようです。しかし、寮においてでも、自分のリズムで生活することは不可能ではありません。ただ、二人部屋である以上、そのためには越えるべきハードルがあります。それは相手に自分を理解させようとする努力であり、相手を理解しようと努力することの2つです。この2つは寮生活にとどまらず、生きていく上で大切なことです。私には退寮した彼らがこれを越えられなかったように思われてなりません。男2人が同室で生活するなどということは一生の中で、この学生の時ぐらいです。そこでどれだけ 住みよい空間を作れるかだと思います。  仙台興譲館は、いろんな個性の集積空間を形作っており、寮生は同じ空間を共有しています。いろんな情報に寮内でアクセスでき、刺激を受けることかできます。そのネットワークを基盤として、私達寮生はそれぞれ寮の外でも様々な活動をしています。「創造性豊かな人材が今の大学では育っていない」などと言われていますが、この寮には素晴らしい能力を持った人材かそろっています。その能力をさらに伸ばしていってほしいと思います。  社会に目をやれば、脳死、沖縄、介護、動燃等、様々な問題があります。きちんと自分の意見を持ち、視野を広めていかねばなりません。景気は未だ回復局面にありながら、大量定年時代の幕開けもあり、就職状況は好転しているようです。今年は4年生の人数が多く、就職活動の始まりにより、寮内も少し慌ただしく感じられます。しっかり頑張ってほしいと思います。  米沢有為会の皆様には、物心両面より様々な援助を賜り、寮生一同大変感謝致しております。ご期待に応えるべく、私達は自己の目標達成のために、邁進していくつもりです。今後ともよろしくお願いします。最後に寮生を紹介して締めたいと思います。
  宍戸 貴雄(東北大・薬・D1)
斎藤 裕介(東北大・理・M2)
星野 広和(東北大・経・M1)
佐藤 寿春(東北大・文・4年)
伊藤 大介(東北大・文・4年)
安部 吉広(東北大・工・4年)
伊藤 尊文(東北大・理・4年)
遠藤 幹彦(東北大・教・4年)
太田  勇(東北大・理・4年)
佐々木 智(東北大・農・4年)
鈴木  学(東北大・工・4年)
竹田 賢治(東北大・文・4年)
長谷川 智(東北大・工・4年)
梅津 卓哉(東北大・経・3年)
菅野 修一(東北大・経・3年)
武田  明(東北大・工・3年)
莅戸 三郎(東北大・工・2年)
星野 勝幸(東北大・経・2年)
今井 良宗(東北大・工・1年)
佐藤 紀孝(仙台大・体・1年)
佐藤  実(東北大・経・1年)
増田 大輔(東北大・工・1年)