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米沢有為会会誌復刊46号(平成8年6月)
興譲館だより(平成8年、1996)

東京興譲館

 今年の東京は4月に入ってからも肌寒い日がありましたが、近くの公園や学校の桜が咲いた風景を見ると、改めて春の訪れを感じます。  さて春は別れの季節であります。今年も5名の先輩方が東京興譲館を巣立たれました。大変さびしいことですが、これからは社会で頑張っていただきたいと思います。この様に別れもありますが、春は出会いの季節でもあります。9名の新入寮生が、団体生活を送ることになりました。最近では一人暮しの傾向があるように思われますが、昨年同様多くの1年生を迎えることかでき、大変うれしく思います。入寮して間もないことですので、不安もあると思います。一日も早く寮になれ、これから有意義な生活を送ってもらいたいと思います。私達在寮生も積極的にアドバイスをしていくつもりです。  寮というものは、共同で生活を行っていく場であり、一人暮らしとは違い、多少の制約を受けることは確かです。特に当寮は自治寮という特徴を持っており、その様な面が得に強いと感じられます。現在、委員長・会計・庶務・文化厚生・広報からなる委員会を中心に内部の運営を行っています。月に1回は舎生会という会議を開き、問題解決のための話し合いをし、寮生の要望を取り入れ、よりよい生活環境を形成することに務めています。会計面においても、光熱費等の支出は私達の手で行わなければなりません。このように自治寮におきましては、各自一人一人が責任を持って行動しなければなりません。のためにも会議への参加や舎費の支払いなど、一定のルールに沿って生活をしていくことが重要と思われます。制約を受けることは誰もが好ましいと思うことではないでしょうが、寮の一員であることを自覚し、自分の立場を理解し、さらには自分を磨きあげるためと考えていただきたいと思います。このような経験は必ず社会に出てからも役立つことと信じています。  これからも私達寮生は、米沢有為会の皆様の御期待に添えるよう、勉強面、生活面その他において更なる努力をしていきたいと思います。御声援をよろしくお願い申し上げます。 簡単ですが、最後に寮生を紹介して終わりたいと思います。
  4年生  亀岡  亮 (中央大学 法学部)
    櫻井  敏 (東京経済大学 経済学部)
    渋谷 昌彦 (東京都立科学技術大学 工学部)
    土屋  晃 (東洋美術専門学校)
3年生 今成  淳 (法政大学 経済学部)
    髙野 裕樹 (日本大学 経済学部)
    宮川 憲之 (武蔵野美術大学 建築学科)
2年生 梅津 幸輝 (大正大学 文学部)
    加藤 紀一 (専修大学 経営学部)
    後藤 喜彦 (法政大学 経営学部)
    武田 洋一 (国学院大学 経済学部)
    中村 智和 (亜細亜大学 経済学部)
    眞島 秀和 (国士館大学 法学部)
    山木 哲郎 (駒澤大学 文学部)
1年生 有路  正 (青山学院大学 経済学部)
    市川 武志 (亜細亜大学 経済学部)
    遠藤 洋幸 (国士館大学 文学部)
    黒田  祐 (東京農業大学 農学部)
    高橋 陽平 (大正大学 文学部)
    武田清一郎 (亜細亜大学 法学部)
    堤  道永 (電気通信大学 電気通信学部)
    長谷部周平 (亜細亜大学 経済学部)
    星  優介 (学習院大学 経済学部)
                   以上 23名
                                                     
慰安旅行

慰安旅行


成人コンパ

成人コンパ





仙台興譲館


 米沢とはまた違った厳しさを持つ仙台の冬もようやく過ぎさり、広瀬のせせらぎも日ましにやわらかく、春のみならず暁をおぼえない我々学生でさえ、新たな希望に胸ふくらませる今日このごろです。今年は寮生2名を社会へと送り、新寮生2名をむかえました。この新寮生2名に関しては、先輩のやや手荒ながら心のこもった歓迎の甲斐あってか、早くも寮生活にとけこんだふうであり、私などは安心する反面、とけこみすぎて1日24時間のほとんどを寮で過ごす、なんていうことになりはしないかと(実際今ごろがあぶない)心配したりもするのです。先輩達の「授業なんて出なくても単位はとれる。」なんていうささやきを真にうけず、学校へ通ってもらいたいものです。  さて、我々は寮に暮らし、寮に学び、寮に遊ぶ、というふうに生活の多くを寮というものによっているわけですが、時代の流れとでもいうのでしょうか、現在学寮のシステム自体が見直される時期に来ているように思われます。現在我が寮生の全てが通っている東北大学の学寮においても、まず炊夫(婦)さんが解雇され、出食が停止されました。そのうえ建て替えが予定されている寮では、部屋・生活費の個別化が計画されています。寮の食事が出る、生活費が安くてすむというメリットはとりはらわれ、寮のアパート化が進行しているのです。各部屋に電気のメーターが付き、食事も自分で用意しなければならないのですから、今までの寮のイメージとはかなり異なります。学生達は、これを大学側による学生の活動の自由を奪う陰謀であるとし、断固反対の姿勢をとっています。しかし、これは全国的な趨勢であり、ますますこの動きは強くなっていくでしょう。学生の寮離れが進み、寮生が減少していくなかでの自然の成りゆきと思えば思えないこと もありませんが、現実アパートではなく、寮の生活を求める学生がいるのですから、何かと今までのような形態を保てないものかと思います。  我々が生活する仙台興譲館は、自治寮という性格上他の学寮と多少異なるところもありますが、やはり似たような問題を抱えつつあります。まず1つは寮母さんの問題です。現在寮母さんは一人で寮の管理、食事の用意をしてくれているのですが、その高齢ゆえいつまでもこの仕事を続けてくれるのか計算がたたない状態です。我々のためにと、今はまだ住み込んで仕事を続けてもらっていますが、実際には体力的にも厳しいようで、寮母さんが辞めた後のことを真剣に考えなければならない時が来ているのです。もう1つは寮生の数と寮費の問題です。今年は最初にも書いたように、2名がぬけ、2名が入るということで、プラスマイナスゼロということになりますが、来年、再来年のことを考えると、普通にいけば来年は7人、再来年は9人の寮生がぬけることになります。入寮生の減少傾向を考えると、寮生全体の減少はこのままでいけば避けられないものとなるでしょう。それにともなって、寮生1人の寮費負担も多くなることと思います。寮費についていえば、昨年度には会計のお金が底をつきそうになる状態が何度かあり、今の状況でも寮費アップを考えてもおかしくないと言う者もいます。ですからこれから人数がこのままの流れで減少するとすれば、ますます厳しい状況が予想されるわけです。勧誘等、具体的な動きをとりながらも、常に考えていくべき問題だと思います。  このような問題はありますが、しかし寮生の生活はいたって快適で楽しいものです。先輩後輩の上下もありませんし、以前は少なからずあった、「遊んでなんぼ」的な雰囲気もなく、麻雀等を強要されることもありません(個人的にはそういうのも良かったのですが)。OBの方から見ればまとまりに欠けるように思えるようですが、寮にもプライベートはあってしかるべきだし、要は公(というとおおげさですが)と私のバランス、学業と遊びのバランスだと思います。一人一人が様々な活動を通して、自分の将来を展望し、社会への広い視野を養っていければ良いと思います。 それでは最後に寮生全員を紹介して、仙台からの便りとさせていただきたいと思います。
                     仙台興譲館寮長 遠 藤 幹 彦
赤木  修 (東北大・理・M2)
    宍戸 貴雄 (東北大・理・M2)
    比留間雅和 (東北大・文・研生)
    斎藤 祐介 (東北大・理・M1)
4年生 佐藤 寿春 (東北大・文・4年)
    伊藤 大介 (東北大・文・4年)
    星野 広和 (東北大・経・4年)
3年生 安部 吉広 (東北大・工・3年)
    伊藤 尊史 (東北大・理・3年)
    遠藤 幹彦 (東北大・教・3年)
    大田  勇 (東北大・理・3年)
    佐々木 智 (東北大・農・3年)
    鈴木  学 (東北大・工・3年)
    竹田 賢治 (東北大・文・3年)
    長谷川 智 (東北大・工・3年)
2年生 梅津 卓哉 (東北大・経・2年)
    菅野 修一 (東北大・経・2年)
    武田  明 (東北大・工・2年)
    谷本  亮 (東北大・工・2年)
1年生 莅戸 三郎 (東北大・工・1年)
    星野 勝幸 (東北大・経・1年)