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米沢有為会会誌復刊45号(平成7年6月)
興譲館だより(平成7年、1995年)

東京興譲館

 今年は、東京でも3月末まで寒い日が続きましたが、4月に入り、ようやく暖かくなり、春の訪れを感じる今日この頃です。春は別れと出会いの季節です。当寮からも、今春5名の寮生が巣立ちましたが、新たに7名の新入寮生を迎えることが出来ました。昨年は、入寮生が3名と小人数であり、学生の寮離れの傾向があるのではと心配していましたが、今年は多くの入寮生を迎えられて、大変うれしく思います。  先日行われた入寮面接では、期待と不安に満ちた、フレッシュな1年生の姿を見て、当時の自分を思い出し、懐かしく思いました。面接を通じて、今年の1年生には、特に目的意識のはっきりとした者が多いと感じました。是非、初心を忘れずに頑張ってほしいと思います。  当寮では、様々な行事が行われますが、その中でもコンパは、新歓、七夕、開館記念、成人、追い出しと、年に5回行われます。寮生は、皆お酒が大好きです。1年生も、寮にいる間に、きっと好きになると思います。もし、つぶれてしまっても、優しい先輩達のアフターケアーは万全ですから、心配無用です。寮で飲む時が、一番思いきり、気持ち良く酔っ払えます。時には、心ばかりでなく体も包み隠さず、解放感・ノ浸る者もいます。いつまでも、楽しく飲み、語りあえる寮でありたいと思います。  また、この寮の良さの1つに、「なまり」が挙げられます。どんなに学校で標準語をしゃべっても(しゃべってるつもりでも)、一度寮に帰れば、そこはズーズー弁の飛び交う世界です。だからこそ、寮に帰って来ると、みんなホッとするでしょう。 ここで一句、   なまっでだ そんなみんなが 好きだから 置賜出身の私達にとって、この寮はまさに、都会のオアシスなのです。  このように楽しい寮ですが、寮生活であるからには団体生活であり、多少の拘束があるのは当然のことです。私達の寮は自治寮であり、寮の運営については全て私達寮生の手に委ねられています。しかしこれは、決して好き勝手に出来るということではありません。一人一人が我儘を言い、非協力的であれば、たちまち寮はバラバラになり、寮としての意味を持たなくなります。自治寮というものは、それだけ寮生全員が責任を持ち、 寮に協力し、自分の役割を果たさなければ成り立たないものです。  私は、最初は寮には入りたくなく、一人暮らしをしたいと思っていました。しかし今では、この東京興譲館に入って本当に良かったと思います。一人暮らしでは知り得なかった楽しい出来事がたくさん有りましたし、また、たくさんの良き先輩や後輩と巡り合うことが出来ました。勿論、役員の仕事を初め、苦労したことも少なからず有りましたが、これらも自分の糧となり、必ず社会に出て役に立つ時が来ると思います。  このような素晴らしい寮を設立して下さった、米沢有為会の皆様には、大変有難く思っております。私達寮生は、皆様の御期待に添えるよう、勉学に、寮生活に努力していきたいと思いますので、今後とも、ご支援よろしくお願い致します。  最後に、寮生を紹介し、終わりたいと思います。                            (文責 山宮 広光)
  4年生 武田誠一郎 (日本大学 文理学部)
    石川 肇一 (早稲田大学 社会学部)
    漆山  裕 (専修大学 経済学部)
    川井 伸一 (明星大学 土木工学部)
    山宮 広光 (東京農工大学 農学部)
3年生 桜井  敏 (東京経済大学 経済学部)
    亀岡  亮 (中央大学 法学部)
    渋谷 昌彦 (東京都立科学技術大学 工学部)
・@   土屋  晃 (東洋美術専門学校)
2年生 宮川 憲之 (武蔵野美術大学 建築学科)
    今成  淳 (法政大学 経済学部)
    高野 裕樹 (日本大学 経済学部)
1年生 梅津 幸輝 (大正大学 文学部)
    加藤 紀一 (専修大学 経済学部)
    後藤 善彦 (法政大学 経済学部)
    佐野 貴史 (帝京大学 文学部)
    武田 洋一 (國學院大學 経済学部)
    眞島 秀和 (國士館大学 法学部)
    山木 哲郎 (駒澤大学 文学部)
                     以上 19名
                             
慰安旅行 日光での一コマ

慰安旅行 日光での一コマ






仙台興譲館


 3月から4月にかけて、まだ若干の寒さが感じられますがここ仙台も街や近所、それに大学のキャンパス内を歩いていると、春がすでにきていることがわかるようになりました。仙台興譲館は、今年4人の新入生を迎えました。最近の学生は寮生活をあまりしたがらない、親も寮には入れたくないという風潮が強く、3年前は3人、2年前は2人と新入寮生の数が少なくなっていきました。あまりに人が少なくなると寮の存在自体か危なくなるということで、寮案内パンフレットを作って地元米沢の高校へ送ったり、高校時代の先生に寮のプロモーションをお願いしたりといろいろ行った結果、去年は9人もの新1年生が入ってくれました。これでなんとか寮閉鎖の危機を脱し、1年間を送ることができました。  このような寮生不足(?) が起こらないように、ここで仙台興譲館寮がいかに学生にとって便利な所なのか、そして親にとって経済的な所なのかを簡単に説明したいと思います。寮は仙台市の中心部から歩いて20~30分くらいの角五郎という所に建っています。すぐ隣に広瀬川が流れており、雰囲気的には米沢の松川沿いとあまり変わりません。それでいて交通の便もよく、東北大などの学校にも近く、仙台で最も暮らしやすい場所の1つです。築8年目(米沢興譲館とほぼ同時期に建立)であり、月3万円で朝夜の食事つき…なんていうと全国から集まってきている友達に「いいなぁ」といわれ・ワす。参考までに書くと、月3万円ではなかなか条件のよいアパートは借りられません。学生のためのこのような施設は(少なくとも)仙台にはほとんどなく、そのため中條仁先生をはじめとする米沢有為会仙台支部の方々、そして約20年にもわたって寮の管理者として住み込みでやって下さっている寮母さん(70才だというのに焼肉2人分をペロリと食べてしまう…)には我々寮生一同心から感謝しています。  さて話は変わりますが、最近日本の大学のあり方について多くの本が書かれています。『受験戦争といった事象により大学へ入ることが人生の目的となっており、大学へは何しにいくのかという問題を明瞭に答えられない学生か大勢いる/欧米の大学生と比べて勉強の質・量とも劣っている/つまり日本は大学なんて必要ないのではないか。』要約すればこのような結論に達しています。それを反映しているのか、東北大でも2年前に教養部制度が廃止になり、早いうちから専門分野の勉強がはじまりました。それがいいのか悪いのかは別として、実際に大学に通っている人間としては前述のことは否定し難いものがあります。「いいね、大学生は遊べて。」と言われることなどしょっちゅうです。ただ、実験や研究が大変で、日曜・祝日もなく、朝早くから学校へ行って帰って くるのは夜中の2~3時である、という多忙な毎日を送っている大学生が多いのもまた事実です。  個人的なことを言わせていただくと、人生で必要なのは学問であって学歴ではないと思っています。小学校か中学校しか出ていなくても一国の総理大臣にまでなった方もいらっしゃるわけですから。しかし一方で自分の将来進みたい方向にある程度の学歴が必要とされているのも現実であり、そのジレンマがなかなか大変なことでもありますが、仙台興譲館の寮生には、なぜ大学に入ったのか、大学とはなんなのかということを暇な時にでもじっくり考えてほしいと思います。  ちょっとかたいことを書きましたが、寮生は酒好きが多く寮や国分町で朝まで飲み明かしたりしています。たまにはこのようなことがあってもいいと思うし、大学時代でしかできないこともたくさんあるので、いろいろチャレンジして破天荒かつ礼儀正しい(?) 学生生活を過ごしていきたいと思います。  最後になりましたが、1月17日の阪神大震災において、有為会京都支部はじめその近郊(特に神戸)にお住まいで被害に遭われた方々に対し心より御見舞い申し上げます。われわれ仙台興譲館でも・墲クかではありますが義援金(10万円)送らせていただきました。一日も早く以前の生活が送れるよう祈っております。  寮生を紹介してこの原稿を締めくくりたいと思います。
                        (寮長 齋藤 祐介)
赤木  修 (東北大・理・M1)
    宍戸 貴雄 (東北大・理・M1)
    比留間雅和 (東北大・文・研生)
4年生  嵐田 洋一 (東北大・工・4年)
    齋藤 祐介 (東北大・理・4年)
3年生  佐藤 寿春 (東北大・文・3年)
    伊藤 大介 (東北大・文・3年)
    星野 広和 (東北大・経・3年)
2年生  安部 吉広 (東北大・工・2年)
    伊藤 尊史 (東北大・理・2年)
    遠藤 幹彦 (東北大・教・2年)
    太田  勇 (東北大・理・2年)
    神尾 太郎 (東北大・理・2年)
    佐々木 智 (東北大・農・2年)
    鈴木  学 (東北大・工・2年)
    竹田 賢治 (東北大・文・2年)
    長谷川 智 (東北大・工・2年)
1年生  梅津 卓哉 (東北大・経・1年)
    菅野 修一 (東北大・経・1年)
    武田  明 (東北大・工・1年)
    谷本  亮 (東北大・工・1年)
平成6年10月芋煮会後の飲み会にて

平成6年10月芋煮会後の飲み会にて