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米沢有為会会誌復刊44号(平成6年6月)
興譲館だより(平成6年、1994年)

東京興譲館

 瞬く間に1年が過ぎ今年もまた春が巡って参りました。年度初めは出逢いそして別れの季節、どこか気忙しく、取るもの手につかずといった感じですが、それでいて刺激や変化を求めて何かにチャレンジしたくなる様な希望に溢れる瞬間です。  東京興譲館寮からは、今春9名もの舎生が寮を巣立ちました。そして新たに3名の新寮生を迎えることかできました。新入生の中には、在寮生以上に都会慣れした新人も珍しくない近年ですが、少しでも早く寮生活、学生生活に馴染める様適切なアドバイスをしてゆきたいと思っております。  上級生にあっては活力漲った新入生に臆することなく、責任ある立場を強く認識した行動をとると共に、ここで一度、学生生活における自己目標の再認識を行ってみてはいかがなものでしょうか。  さて東京興譲館寮の最大の特徴は学生自治であることです。管理されることのない、我々が進むべき道は一切、自分達の選択によって運営するというシステム、このことは実に重大でかつ素晴らしいことであります。このような自らが主体性を持った制度下にあってかどうか、当寮からは笑い声が絶えることかありません。  余談になりますが、当寮は大都会東京・EEEフ殺伐とした中にありながら一歩門を潜ればそこは山形、米沢弁OKの世界、これぞ県人寮の醍醐味と言えるでしょう。その上、寮母さん(寮生からは「まさえちゃん」の愛称で親しまれている。)がちゃきちゃきの山形仕込み米沢人とあって、秋の声をきけば黙っていても、芋煮が食卓を賑わしてくれる。そうです。ここでは都会に居ながらにして山形の擬似体験が出来るのです。地方出身の我々にとって願ってもないアットホームな雰囲気、これが我々の誇る東京興譲館寮の全てであります。新学期が始まると、世間では五月病だ、やれホームシックだ等と騒がれますが、当寮にあってはそのたぐいの病とは無縁であるといってもよいでしょう。但し、困ったことに、寮生活が充実する余り、卒業し仕事に就いてから、猶予されていた都会の孤独感に苛まれる先輩も稀にいらっしゃる様ですが………。  ところで団体生活は共同生活の中から、他人を思いやる寛大な心、時には自己主張することの重要性を体得し、よりよい人間形成の場の礎として興譲館寮が邁進してゆくことを渇望してやみません。そして、永遠にホームシックとは無縁の寮であってほしいものだと思います。そうでなければ興譲館寮ではありません。  以上御紹介致しました通り魅力的な学生寮でありますが、手放しでこの素敵な環境をものにしたわけではありません。これは偏に金子館長はじめ佐藤副館長そして寮母さんの陰の御尽力あっての賜物といえます。この場をお借り致しまして深く感謝申し上げます。  いつまで経っても世話が焼ける私達ではありますが今後とも寮生活におきまして御助言頂けましたら幸いに存じます。  あとわずかで21世紀の幕明けとなります。これからは、必然的に我々が時代を但って行かねばなりません。そこで、有為会の皆様の御期待に添うよう勉学に寮生活にと一層精進 し充実した青春時代をものにしていきたいと思っております。そこで時には諸先輩方のアドバイスを起爆剤に致したく思い学生一同皆様の御来訪をお待ち申し上げております。東 京にお越しの際には是非お立寄り下さいませ。  最後になりましたが、寮生を紹介致して、この稿を締めくくりたく思います。
   平成6年4月5日      寮長 野呂 圭司
4年生  小関  治 (電気通信大学 電子工学科)
     松浦  修 (東京理科大学 工学部)
     野呂 圭司 (専修大学 法学部)
     武田誠一郎 ・i・坙{大学 文理学部)
     佐藤 美明 (立正大学 経済学部)
3年生  石川 肇一 (早稲田大学 社会科学部)
     漆山  裕 (専修大学 経済学部)
     川井 伸一 (明星大学 土木工学部)
     山宮 広光 (東京農工大学 農学部)
2年生  安藤 正之 (一橋大学 法学部)
     桜井  敏 (東京経済大学 経済学部)
     亀岡  亮 (中央大学 法学部)
     渋谷 昌彦 (東京都立科学技術大学 工学部)
     土屋  晃 (東洋美術専門学校)
     鈴木 裕之 (武蔵野美術大学 短期大学部)
1年生  宮川 憲之 (武蔵野美術大学 建築学科)
     今成  淳 (法政大学 経済学部)
     髙野 裕樹 (日本大学 経済学部)
                       以上18名
                             
右 金子館長  左 佐藤副館長を囲んで(成人コンパ)

右 金子館長  左 佐藤副館長を囲んで(成人コンパ)


楽しい語らい

楽しい語らい


夏の夜の醜態 by 仙川ビーチ

夏の夜の醜態 by 仙川ビーチ


慰安旅行にて追コン 佐藤伸昭氏

慰安旅行にて                 追コン 佐藤伸昭氏




仙台興譲館


 つい最近まで風が冷たく、春はまだまだ先だと思っていたのですが、いつの間にか仙台の桜もいっぱいに開いて、淡い香りを含んだ暖かな風を感じるようになりました。  先日まで長年に亘って有為会仙台支部長を務められました小松英治先生が2月末御逝去なさいました。小松先生は、我が仙台興譲館寮のために大変御尽力下さり、7年前の寮新築 の際にも大変にお世話になったと伺っております。また、お人柄においてもおおらかで優しい方で、寮での親睦会にはよくご足労頂き、一緒にお酒を飲んだり、手品を見せて頂いたりしたことを思い出します。寮生一同、小松先生のご冥福を心からお祈り致します。  仙台興譲館は今年新たに9人の1年生を加え、新年度を迎えました。年々入寮生が減る傾向にあり、今年こそはと早くから準備を始めてきた甲斐あって、たくさんの1年生が入りほっとしているところです。  先日、西公園まで出向き、毎年恒例の花見を行いました。その日は少々風が寒くてまだ花も咲き始めでしたが、そんなことは何のその、お酒の絶大な力を借りて楽しい時を過ごしました。1年生が9人もいるといろんな奴がいるもので、すぐダウンしてしまうもの、調子に乗ってどんどん飲んでしまうもの等面白いものです。もちろん、その後のCareは先輩としてしっかり行いましたのでご心配のないように。1年生を介抱しながら、数年前、僕も先輩に両肩を支えてもらい、路肩の草木に肥やしを与えながら帰ったことを思い出しました。あれからはや3年、いつの間にか介抱してやる方になっていることに気付き、時の流れの速さに少々焦りを覚えてしまいます。  こうして1年生は大学生という今までとは全く違った生活を歩み始め、僕達もそれぞれ新たな年度をスタートさせました。ここで先輩として後輩達に2言3言っておきたい事があります。まず1つは、自分達は有為会の奨学施設興譲館寮の寮生であり、感謝する心を忘れてはいけないということ。こんなに恵まれた環境が学生のために用意されている事はほとんど無いのだから、そのありがたさをよく理解して、さらにいい寮になるように努力してください。自分の事よりもまず寮の事を先にやるように。もう1つは生活にめりはりを付けること。勉強する時にはしっかり勉強する、楽しむ時には思いきり楽しむ、これが大学生活を有意義なものにする極意と言えましょう。最後に、いろんな事に興味を持ち、やってみること。学生時代は比較的自由な時間が取れるので、やる気になればいろんな事ができます。そうやって自分の幅を広げておけば、将来必ず役に立つ事があるでしょう。  それぞれ簡単に書きましたが、後輩諸君、自分の人生をがんばって生きて下さい。 少々先輩ぶって書いてみましたが、経験の浅い若僧よりも、人生の大先輩の皆様に教えて頂いた方がずっとためになると思います。ぜひ寮の方に足を運んでみて下さい。お待ちして おります。有為会の皆様、今後ともご支援よろしくお願い致します。 最後に、寮生を紹介して終わりにしたいと思います。    (文責 赤木修)
4年生  比留間雅和 東北大・文
     黒田  誠・@東北大・・o
     大木  聡 東北大・経
     渡部 英哲 東北大・経
     赤木  修 東北大・理
     宍戸 貴雄 東北大・薬
3年生  齋藤 祐介 東北大・理
     嵐田 洋一 東北大・工
2年生  佐藤 寿春 東北大・文
     伊藤 大介 東北大・文
     星野 広和 東北大・経
1年生  竹田 賢治 東北大・文
     遠藤 幹彦 東北大・教育
     太田  勇 東北大・理
     神尾 太郎 東北大・理
     伊藤 尊史 東北大・理
     安部 吉広 東北大・工
     鈴木  学 東北大・工
     長谷川 智 東北大・工
     佐々木 智 東北大・農