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米沢有為会会誌復刊43号(平成5年6月)
興譲館だより(平成5年、1993年)

東京興譲館

桜花の候、春爛漫の好季節を迎えました。この時期は、出合いと別れがつきもので、今年も4名の先輩方が、当寮を巣立たれました。そして、名実共に春を迎えた8名の新入寮生が、当寮で団体生活を送ることになりました。沢山の1年生が入寮することは、大変喜ばしいことです。まだ入寮して間もないことなので、何も分からず、不安が募るばかりだと思います。一日も早く、この寮に慣れ親しんで、有意義な寮生活を送れるよう、私達もアドバイスしていきたいと思っています。  寮というものは、共同生活を送る場であり、一人暮しとはかってが違い、多少拘束されていると感じるかもしれません。しかし、この寮で、ただ漠然と日々を送るのではなく、自分の立場・役割を理解し、自治寮であるこの寮を運営していくため、更には、自分を磨くためであると考えれば、拘束という気持ちはなくなっていくと思います。この寮での生活は、必ず社会でも役立つと信じています。ですから、寮での4年間で、共に酒を飲み、論じ合い、他の人の良い面を吸収し、多くの経験を積んでもらいたいと思います。  当寮で行なわれる行事は、4月のマラソン大会からはじまり、年5回のコンパ、大掃除、草むしり、寮祭、県4寮対抗バレーボール大会、そして3月の慰安旅行で締め括ります。 この様に、多数の行事がありますが、昨年、県4寮対抗バレーボール大会で、初の優勝を飾ることかできました。勝因はやはり、寮で育て上げた「チームワーク」でした。今年は、連覇を狙うつもりで意気込んでいます。  ところで、当寮も創立して20数年の月日が経ち、徐々に老朽化が進んでいます。私達寮生は、良い環境で生活できるように、寮を大切にしていかなければならないと考えていま す。そして、有為会の皆様の御期待に添えるよう、勉学に、寮生活に、その他の面においても、一層の努力をしていきたいと思います。最後に寮生を紹介して終りたいと思います。
4年生
 小関  治(電気通信大学 電子工学科)
 金子 真理(東京工芸大学 工学部)
 小嶋 伸一(昭和薬科大学 薬学部)
 佐藤 信昭(国学院大学 経済学部)
 佐藤 美明(立正大学 経済学部)
 神保 明彦(専修大学 商学部)
 竹屋 孝志(明治大学 政治経済学部)
 村上 雅紀(電気通信大学 情報工学科)
 米  浩二(専修大学 法学部)
3年生
 鈴木 高志(東京大学 文科Ⅲ類)
 武田誠一郎(日本大学 文理学部)
 野呂 圭司(専修大学 法学部)
 松浦  修(東京理科大学 工学部)
2年生
 安藤 広幸(東京農業大学 短期大学部)
 石川 肇一(早稲田大学 社会科学部)
 漆山  裕(専修大学 経済学部)
 川井 伸一(明星大学 土木工学部)
 山宮 広光(東京農工大学 農学部)
 野呂 尚史(日本工学院八王子専門学校 放送芸術学部)
1年生
 安藤 正之(一橋大学 法学部)
 亀岡  亮(中央大学 法学部)
 今田  純(東京大学 理科Ⅱ類)
 桜井  敏(東京経済大学 経済学部)
 渋谷 昌彦(東京都立科学技術大学 工学部)
 鈴木 裕之(武蔵野美術大学 短期大学部)
 土屋  晃(東洋美術専門学校)
 渡邊 朋視(国学院大学 経済学部)
                    以上27名 (文責 金子 真理)
                             
昨年度の追い出しコンパの一コマ

昨年度の追い出しコンパの一コマ


真中 金子館長さん。 左端 佐藤副館長さん。 右下 鈴木元副館長さん。

真中 金子館長さん。 左端 佐藤副館長さん。 右下 鈴木元副館長さん






仙台興譲館


 仙台興譲館寮は、現在、学生15名、寮母1名の計16名で構成されています。学生は全員東北大生で、院生1名、4年生2名、3年生6名、2年生4名、そして新入生2名が新たに加わりました。米沢有為会による、学生の奨学施設としてこの興譲館寮があるわけですが、ここで寮生活について少し書こうと思います。  まず、3月末に新入寮生の面接があり、コチコチになった新1年生が面接をうけます。特に問題がなければ全員が寮生となることができます。面接を行う在寮生は、新1年生をみて、以前の自分の姿を思い出し、今の自分の変わり様におどろき、けがれた自分に嘆き悲しむのです。そして4月、5月とすぎ、花見、新歓コンパ、合同コンパと経て1年生も酒に あそびに学生生活になれ、学校に行くことの難かしさがわかってくるのもこのころでしょう。  こう書いていると、何か遊んでばかりいる寮のように見られますが、決してそれだけではありません。全員が現役で合格しているだけに、テスト前や、講義でわからなかったことなどを聞ける頭の良い先輩がたくさん(?)います。その他にも教科書のお下がりもありますし、机やテレビなどももらえたり、テストの過去問ももらえたりと、メリットも多くあるのです。そして何よりも共同生活によってお互いに刺激しあいながら生活できること、これが一番いいことだと思います。集団生活を通しての社会勉強は、一人暮らしでは体験できないことです。  先ほどもちらっと書きましたが、我が寮の行事も寮生の楽しみの1つです。年に数回ある寮内コンパ、年2回の女子寮とのコンパ、そしてこれはあまり楽しくはありませんが、大掃除も年2回あります。学生生活で出逢いが少ないなぁなんて思っている人達にとってはこの女子寮とのコンパは数少ないチャンスになるわけで、この時だけは皆の目が変わります。中にはうまくいった人もいますが、失敗した人もいるわけで、この時期は友情と愛情について考える機会か多くなるのです。秋の女子寮とのコンパは芋煮会からはじまります。知ってますか、仙台の芋煮はみそ味です。でも我が寮は醤油味・オかつくりません。それが山形人のポリシーです。去年の芋煮会の写真がありますので、のせておきます。この時は何と、昼のテレビ番組「ごきげんよう」が取材に来ていて、私達はライオンちゃんと一緒にテレビにオンエアーされたのでした。  最近、生活の面で感じることは、目標をしっかり持って生活している寮生が少ないことです。時の流れるままに……というように、むだな時間が多く見られることです。そこから悪循環が始まり、留年したり、退寮したり、寮費をおさめられなくなったりするのです。ごく一部の者なのですが、そういった面が見られます。何も寮生活がこういう弊害をもたらしたのではないのです。自分自身が弱いからです。最近、寮の評判がよくないと耳にしましたが、寮生活が悪いのではなく、各自の自覚がたりないからだと思われます。ですから、これからも、けじめのある寮生活を各自が送るようにしていきたいと思います。  しかし、基本的に寮は楽しいところです。卒業された先輩方も、みんな「寮に入って、いがったな。」と言って行きます。これからも有望な後輩にどんどん入ってもらって、自信 をもって「仙台興譲館寮生だ。」と言えるような寮にしていきたいです。
       仙台興譲館寮長   東北大学経済学部4年 皆 川 武 司

場所:牛越橋下の河原

場所:牛越橋下の河原


ライオンちゃんと一緒に

ライオンちゃんと一緒に