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米沢有為会会誌復刊34号(昭和60年6月)
興譲館だより(昭和60年、1985年)

東京興譲館

 今年の春は、一日おきに雨が降るといった不順な天候のもとに、少しずつ到来して来ました。桜も漸く満開になり、あちらこちらで咲き誇って、見る人の目に春到来を告げているように思われます。桜に匂う春が来て、我が興譲館寮もまた、新入生を迎えることになりました。  今年は、7名の卒業生を送り出し、在寮生21名の状態になりました。しかし、どこでどうやってPRが利いたのか新入生が9名も入寮して来ました。各々、期待と希望を抱いて新しい人生の一歩を踏み出すことと思います。東京は、誘惑の手が四方八方から延びていますから、1年生の皆さんは気を付けましょう。それらの誘惑に負けないように、先ず、寮生活の基盤を固めて欲しいと思います。それには、お互いの名前や寮の規制、寮生活の意義を早く覚えて欲しいと思います。判らないことがあったら、遠慮せずに私以外の先輩に聞いて下さい。  さて、話は変りますが、4月7日、お天気祭が行なわれました。これは、新入生と在寮生の顔合せを兼ね、寮の行事の一つである新入生歓迎マラソンの日の晴天を願うコンパです。新入生は、どんな会やら知りませんでしたので、最初はすごく緊張している様子が伺われます。2年生は1年生の下積みから解放されて安心したのか先輩ぶっていましたが、しかし1年生から逆に飲まされ、フラフラしているのも居ました。その所為かどうか、翌日は雨で残念ながらマラソンは中止になりました。  新入生もいろんなタイプが入寮して、これからが楽しみです。これから新歓コンパ等が行なわれますが、それ等を通して一日も早く寮生活に溶けこんで欲しいものです。  寮生活は、他の学生生活に比べ、デメリットな点も多くありますが、寮生活でしか学べないメリットもあります。それをどこに見出して行くか、それは寮生各々の問題である訳ですが、人と人とが理解し共存して行くという、人間の生活の本質を踏まえている点にメリットがあると思います。本音と本音でぶつかり合って、対話をし、お互いに学んで行くことが必要です。各人が心を開かなければなりません。そうして人間として成長していかねばなりません。  最後に、本年度寮生を紹介して終りにしたいと思います。
4年次生
  加川 雅人(東京学芸大・教育・A類理科)
  須藤 康雄(電気通信大・電気通信・通信工)
  鈴木 邦昭(明治大・政経・経済)
  鈴木 亮一(電気通信大・電気通信・計算機科)
  土屋  稔(東京都立大・工・工業化学)
  渡部 博幸(明治大・農・農)
3年次生
  相田 正史(帝京大・経済・経済)
  浅野 博行(明治大・法・法)
  黒田 雅人(東京農業大・農・林学)
  鈴木 浩明(電気通信大・電気通信・物理工学)
  船山  恒(東京学芸大・教育・初等数学)
  堀越 秀和(中央大・経・経)
2年次生
  有路 光一(東洋・経済・経営)
  大滝 泰浩(東京学芸大・特別教育・美術)
  片山 洋行(国土舘大・建築)
  近野 広行(東京農工大・農)
  斉藤 政美(東京農業短大・農)
  佐藤 達也(東京工業大・四類)
  高橋  徳(国学院大・文・神道)
  林崎 直幸(法政大・経・商)
  宮本 秀行(高千穂商大・商・商)
 1年次生
  安部 義明(国学院大・文・神道)
  木村 栄司(早稲田大・社会)
  小関  敦(明治大・農・農)
  佐藤 智由(日本獣医蓄産大・獣医蓄産)
  高野  徹(中央大・理工・工業化学Ⅱ)
  多田 利幸(東京農工大・・E_)
  永井 啓順(東京農業大・農・栄養学)
  南  貢一(早稲田大・社会)
  渡辺 武司(明治大・商Ⅱ)
                     (船山恒記)

仙台興譲館


 桜前線の北上とともに、一層春めいて来ましたが、我が興譲館におきましても新寮生を迎え、寮生一同、気分も新たに張切っております。本年度は新入寮生が10名と例年にない多さで、寮も一段と活気を増しております。  前年度の卒寮生は5人で、各々大学院進学、公務員、民間企業へと、夫々の分野で仕事に研究にがんばっておられますが、様々な伝統を残して下さいました。新寮生は良き伝統を伸して行って欲しいものです。  仙台興譲館は、ここ数年、入寮生が3名から4名という状態が続いておりましたので、今回10名という新入寮生を迎えて、例年になく活気づいております。わが寮の人気者、寮母さんの犬のロロ君もすっかり新入生に慣れて、顔をみると尻尾を振って飛んで来るようになりました。なにしろこのロロ君は、卒業して行った先輩のこともちゃんと憶えていて、たまに先輩が遊びにいらっしゃいますと、それはもう大変な喜び様で、真っ先に飛び出して行きます。このロロ君、近所でも人気者ですから、新寮生の第一歩はまずロロ君に認められる所から始まる訳です。  これから、寮の内外において、各人の個人的な活動も含め寮内においても花見コンパから始まって、新歓、在仙コンパなど、新入生歓迎の行事が目白押しとなっています。その中で、新入寮生と在寮生との会話が生まれ、5月のゴールデンウィークが終る頃には、寮全体がすっきりとまとまって来るものです。  仙台興譲館の特徴の一つに、寮生総会などでの活発な討論があります。寮生夫々の個性と個性が激しくぶつかり合い、総会が3時間を超すこともよくあります。各人がしっかりした自分の考えを持ち、その考えが他の寮生と相入れない場合でも簡単に妥協せずに、お互いに十分納得できる解決策が見つかるまで、議論は続きます。このことはなにも総会に限りません。ふだんの生活の中でもそうですし、中でも酒の席などでは朝になるまで語り合うこともあります。そういった話合いの中で、相手の考えも判りそれが寮生活を円滑にしている、とも言えるでしょう。  仙台興譲館は御近所の方々との交流も多く、毎年恒例の町内バレーボール大会では、平・マ年令10・ホ以上ちがうオジサマチームに連敗中で、今年こそ勝たなければ若者の面目が丸つぶれになりますので、今年は必勝の意気に燃えております。  我々興譲館寮生一同は、学校、寮生活、個人の活動と、有為会の一員としても精一杯努力するつもりです。 最後に寮生を紹介します。
 4年次生以上
   桜井 真行(東北学院大・経済・聴講生)
   佐藤 孝喜(東北大・理・大学院)
   松本 則夫(東北大・工)
   佐々木博之(東北大・文)
   青柳 哲郎(東北大・法)
 3年次生
   高橋 文和(東北学院大・経済)
   木村 浩二(東北学院大・文)
   菊池  彰(東北大・工)
   佐藤 一彦(東北大・工)
   渡部  修(東北大・工)
   高橋  忍(東北大・工)
 2年次生
   加藤富士雄(東北学院大・法)
   竹田 利昭(東北福祉大・社福)
   武田 政幸(東北大・工)
 1年次生
   山村 哲也(東北学院大・経済)
   阿部 真二(東北大・工)
   石井 智浩(東北大・医)
   亀岡 祐一(東北大・医)
   結城 康弘(東北大・工)
   手塚 和人(東北大・工)
   小笠原 均(東北大・工)
   神保 明之(東北大・文)
   高橋 英樹(東北学院大・経済)
   土田 裕一(東北大学院大・文)
                     (木村浩二記)

札幌興譲館


 札幌は春の訪れが例年より早く、北大構内ももうほとんど雪はなく、冬の間真白な雪を載せて、ひたすら春の陽気を待ち続けていたポプラの木々も、いきいきと緑の葉を出し春風になびいております。  構内を南北に貫くメインストリートは、春を装った人々や白衣姿で会話を交しながら歩く学生、腹の底から掛け声を出し合いながら走っている運動部員達などで賑やかで、それぞれ春の訪れを喜んでいるようです。  その様な中、大学も新学期に入り、我が寮の寮生も新歓の行事やら勉強やらで、次第に活発になっています。  今年は新たに新入生2名が入寮することになりました。新寮生は初めて寮生活を送る者ばかりで、まだ寮の雰囲気に慣れない面もありますが、私達が入寮した時と同様に、次第に寮の良さ・揄オ、やがてはそのパーソナリティを発揮してくれるでしょう。  考えて見れば当然のことですが、寮生一人一人が異なった個性を持ち、どの部屋に入っても、その部屋の雰囲気というようなものがあり、夫々の雰囲気が溶け合って我が寮独特の雰囲気をかもし出しているものだと思います。その中の一つでも欠ければ、寮の雰囲気は一変するでしょう。講義やクラブから帰ると、寮の至る所に米沢弁が飛び交い、気持が安らぐ思いがします。この様な寮の個性を、新寮生にも受け継いで貰いたいものだと思っております。  ところで、我が寮の寮母には昨年度から木全文子さんに御願いしておりますが、身勝手な寮生にも拘わらず大変良く世話していただき、心から感謝しております。  昨年から今年にかけて、トイレの故障や窓ガラスの破損、雨漏りなどで、大変な事もありましたが、有為会の皆様の御助力で早急に修繕出来ましたことを御報告し、厚く御礼申し上げます。  我々寮生一同、有為会の皆様の御恩を忘れず、勉学にクラブに励んで行きたいと思いますので、今後共御指導の程御願い申し上げます。
最後に本年度の寮生を紹介致します。
 4年生
  斉藤 広道(北大農学部)
  高橋 正人(北大法学部)
  大泉 康樹(北大法学部)
  稲村 邦彦(北大法学部)
  渡部 和久(北大法学部)
  長谷部 誠(北大工学部)
3年生
  沼沢 広宣(北大農学部)
  高嶋  進(北大法学部)
  菅野  勉(北大農学部)
  前川 陽一(北大工学部)
  安達 邦明(北大農学部)
2年生
  遠藤  桂(北大教養部)
1年生
  滝澤 真毅(北大教養部)
  山崎 利浩(札幌学院大人文学部)
  小林 幸彦(北大教養部)
                    (稲村邦彦記)