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米沢有為会会誌復刊32号(昭和58年6月)
興譲館だより(昭和58年、1983年)

東京興譲館

 今日は4月の16日。ん、何やら寮の中が騒がしい。廊下をバタバタと走る音が聴こえてきた。「起きろ」とどなる声がする。……「うるさいなあ、何時だ? なんだ、まだ4時半じゃねえか」…… モーローとした頭をふって考えた。「そうだ、今日は新歓マラソンの最終日だった」  今度、新しく寮生となった諸君を歓迎すべく一週間マラソンを行なっています。これを、我々は新歓マラソンと呼んでいます。その最終日に、京王線の朝一番の電車に乗って吉祥寺まで行き、井ノ頭公園から寮まで走って帰って来るのです。距離にしておよそ6キロメートル。これに参加するのは、原則として1、2年生なのですが、今年は3年生のY君が、特別出場して、しかも優勝してしまいました。(ちなみに、彼は大学でテニスのサークルに入っており、体力は人一倍あります。それは、昨年度の寮祭におけるマラソン大会の優勝者が彼であったという事実が如実に物語っています。そうそう、筆者は、第2位でありました。)  まあ、これが終ってしまえば、朝のネムリを妨害される危険は去ったわけです。しかし、一体、どっちが本来あるべき生活なのでしょうか?(註、筆者の場合、朝のネムリとは午前9時~11時までの睡眠をさす。)ひとつこれを機会に、健康的な生活をすべく努力してみようか? などと考えておりますが……新しい年度が、まずは順調にスタートしました。  今年度こそ、充実したものでありますように、などと考えながら、この原稿を書いています。現在、17日午前3時20分。……  
最後に寮生の紹介をさせていただいて、このおたよりを終ります。
大学院生
  青木 徳隆(東京理科大・大学院物理学科1年)
 4年次生
  黒沢 浩昭(拓殖大・政経・経済)
  森 綱一郎(早稲田大・二文・日本文学)
  由井 昭二(日本大・農獣医・林学)
 3年次生
  伊藤 晴男(高千穂商科大・商・商)
  今井 敏博(    ″     )
  菅野 亮一(専修大・経済・経済)
  千葉 尚雄(東京薬科大・薬学)
  横山 明宏(成蹊大・経済・経済)
2年次生
  加川 雅人(東京学芸大・教育・A類理科)
  須藤 康雄(電気通信大・電気通信・通信工)
  鈴木 邦昭(明治大・政経・経済)
  鈴木 亮一(電気通信大・電気通信・計算機科)
  土屋  稔(東京都立大・工・工業化学)
  渡部 博幸(明治大・農・農)
1年次生
  相田 正史(帝京大・経済・経済)
  浅野 博行(明治大・法・法)
  黒田 雅人(東京農業大・農・林学)
  鈴木 浩明(電気通信大・電気通信・物理工学)
  船山  恒(東京学芸大・教育・初等教育)
  山田 栄治(法政大・工・電気工学)


仙台興譲館


 雪深い東北とは言え、ここ仙台では窓から差し込む光は日々柔らかさを増し戸外ではうぐいすのさえずりさえ耳にする時期になりました。しかしながら外の空気は時として冷たく気まぐれな春には愚痴をもこぼしたい気持ちです。すでに卒業生の皆さんの引越しも終え、寮内ではぼちぼち部屋替えの期日の相談をしている様子が窺えます。本年度は3人の新入寮生を迎え早いところでは4月4日には学校が始まります。  ところで仙台興譲館は新築されてからかなりの年月が過ぎ、たくさんの先輩方を同館から世に送り出してきました。しかしそれだけに建物の老朽化が進み、やや生活にも不自由する部分が目立つようになりました。そこで昨年度は本館の修繕のために多大な予算を割いていただきました。それによって旧館の窓にサッシを入れ壁のひび割れや雨樋、天井の塗り替えなどの修繕やバイク小屋の新設などをさせていただきました。その際当然とは言え寮生も仕事の一部を手伝わせていただき同じ仕事で汗を流すという貴重な体験をさせていただきました。  さて本寮は寮生一人々々の結びつきが正に家族同様であるのが特徴で様々な寮内行事を毎年催しております。昨年度も例年通り春の花見コンパに始まり、幾度かの寮内コンパや他寮との合同コンパなどを娯楽係を中心に積極的に行なってきました。休日には誘いあってボーリングやスケートなどに出かけ、あるいは先輩と杯を傾けながら悩みや理想について語り合ったりします。よくわかりあった互いの信頼がここにはあります。非常に望ましい傾向でありこれからも助長されていくものに違いありません。  ただ昨年度は良い事ずくめではなく、数々の困まった出来事もありました。近年通学やアルバイトのためにバイクを利用する大学生が急増していますが、本寮も例外ではなく今年はバイクを所有する寮生が過半数となりました。そのため、第一に置き場所に困りバイク小屋増設をお願いせざるを得なかったことがあります。更に事故を起こし怪我をする者や警察に注意される者が多かったように思います。また、寮母さんもだいぶ高齢で高血圧のため、時々寝こまれることがありました。寮生皆が心を痛め介抱したものです。様々な問題が多い年でしたが、それらは難しい問題だけにじっくりと時間をかけて処理せねばならず今後の課題になっています。  ところで昨年度は本寮に新しい仲間が加わりました。まだ生まれてから2月ほどのオス犬『ロロ』です。寮内をそこら中歩きまわり食事時などおねだりに来るいたずら小僧ですが、皆に愛嬌をふりまき一躍人気者になってしまいました。成長していく過程が楽しみでなりません。本年度は寮生20人と寮母さんと犬1匹が一緒に生活していくわけです。  最後に寮の修繕あるいは寮生の生活条件の向上のため尽力下さった小松先生、結城先生、神田先生、その他有為会の諸先生方に、誌上をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。本年度寮生を紹介して終わりたいと思います。
 4年生
  五十嵐浩幸(東北大・理)
  石川 裕之(東北大・経)
  岩間 泰実(東北学院大・経)
  大浦 雅宏(東北学院大・経)
  工藤為久夫(東北大・理)
  佐藤 孝喜(東北大・理)
 3年生
  加藤 裕司(東北大・工)
  後藤 利明(東北学院大・法)
  桜井 真行(東北学院大・経)
  広瀬  純(東北学院大・文)
  中村 建一(東北大・工)
 2年生
  青柳 哲郎(東北大・法)
  木村  淳(東北工大)
  佐々木博之(東北大・文)
  高橋  忍(東北大・工)
  松本 則夫(東北大・工)
  渡部  修(東北大・工)
 1年生
  菊池  彰(東北大・工)
  木村 浩二(東北学院大・文)
  佐藤 一彦(東北大・工)



札幌興譲館

 今、4月下旬。桜前線のニュースは姿を消しましたが、北海道の桜はまだです。暖かくなって来ましたが、気温は東京の冬と一緒だそうです。  3月、札幌興譲館では8人の卒業生を送り出し、6人の新人生を迎えました。定員17名で現在14名。一寸少なめですが、それだけに余裕があって快適です。  新入生の決定が遅れて、歓迎の行事はこれからです。まず通称「新歓ダンスパーティ」。毎年恒例の行事で、近くの保母寮の女子学生が大挙応援に来てくれます。更に、札幌在住のOBを交えてソフトボール大会を開きます。秋には豊平川で有為会の皆様と共に芋煮会を予定しています。日々の生活にこれらの行事も積み重ねて、僕ら寮生は親密さを加えていくのです。  ところで、昨年から館長が岡田さんから鈴木さんに変りました。岡田さん、長い間お世話になりました。ありがとうございました。鈴木さん、これから宜しくお願いいたします。最後に寮生を紹介して終ります。
 4年生
  荒木 正也(北大農学部)
 2年生
  斉藤 広道(北大教養部)
  高橋 正人(北大教養部)
  渡辺 和久(北大教養部)
  青木  宏(北大教養部)
  長谷部 誠(北大教養部)
  稲村 邦彦(北大教養部)
 1年生
  吉田  敦(北大教養部)
  安達 邦明(北大教養部)
  前田 陽一(北大教養部)
  管野  勉(北大教養部)
  高嶋  進(北大教養部)