米沢有為会会誌復刊26号(昭和52年6月)
興譲館だより(昭和52年、1977年)
東京興譲館
ここ調布は桜が散り、青葉が繁る、とてもすがすがしい季節をむかえております。さて、当寮では7名の有為なる諸先輩を社会に送り出し、新たに13名の新寮生を迎えました。1月、2月などは火の消えたような寂しさでしたが、今はこれらのフレッシュマン達の明るく輝いた顔が活気を呼びさましております。まだ慣れない点が多く、かなりまごついておる様ですが、その若い新鮮なバイタリティは将来の東京興譲館を背負ってくれると期待して余りあるものでしょう。
昨年は暗い世相でありましたが、寮生はいたって元気で、恒例の山形県5寮対抗バレーボール大会(これは当寮が昨年は主催し、コンパでは他の寮の人達と酒を飲み、語り合い有意義な時を過ごしました。)・寮祭・そして寮祭の一環としての学年対抗駅伝大会など昨年中も活発な活動を続けました。また恒例の寮の旅行も春は伊豆の今井浜、秋は塩山へと行き、寮内とは異なる雰囲気で大いに飲み、歌い、語り合い、寮生相互の親睦に大いに貢献したものと思います。
今年は寮の中堅である3年生の多数が抜け寮の運営に一抹の不安がある事はいなめませんし、また東京の物価の上昇は寮にも波及し舎費も2万円に近づきつつあり、寮生の生活の方も前途多難な年になりそうです。がしかし我々寮生はそれらの諸々の問題も東京興譲館寮生であるという自負をもって互いに助け合い生活してゆきたいと思っています。
多くの問題を抱え苦悩する70年代後半の社会、大学において、孤独の中で今にも崩れそうな個々の意志を寮生活という集団生活の基盤の上に立ち、若者の意識を失わずして、学問、スポーツに日々の楽しく有意義な寮生活を送りたいと思います。
それでは最後に寮生全員を紹介し、ペンを置きたいと思います。
大学院生
小 野 庄 士(東京学芸大)
4 年 生
平 卯太郎(早稲田大 理工 電気工学)
島 貫 正 夫(慶応義塾大 法 法律)
赤 間 俊 明(東京経済大 経済)
戸 田 友 一(東洋大 文 哲学)
鈴 木 久 夫(法政大 経済 経済)
相 馬 茂二郎(明治大 政経 経済)
高 橋 和 宏(専修大 経済 経済)
3 年 生
山 田 栄 造(中央大 法 法律)
吉 田 健 一(早稲田大 教育 教育心理)
山 下 芳 昭(千葉商科大 経済 商業経済)
鈴 木 伸 平(東京農業大 農 農業拓殖)
市 川 長 文(上智大 経済)
山 口 清 樹(電気通信大 物理工学)
2 年 生
荒 本 謹 厚(国士館大 政経 経営)
土 屋 克 彦(法政大 工 経営工学)
長谷部 正 男(日本大 商 商業)
前 山 健 二(国士館大 政経 経営)
皆 川 浩 一(高千穂商科大 商)
宮 坂 敬 章(東京農業大 農 農業工学)
山 下 秀 明(千葉商科大 経済)
高 橋 真(日本大 商)
戸 田 敏 男(国士館大 工 建築)
井 上 和 広(国士館大 政経 経営)
1 年 生
佐 藤 恵 次(法政大 法 法律)
情 野 武 志(日本大 文理 哲学)
宇 理 広 一(中央工学院 建築)
高 世 道 法(専修大 法)
小 関 利 之(法政大 経営)
熊 沢 広 二(駒沢大 経営)
尾 形 良 雄(東京経済大)
志 田 正 伯(中央大 経済)
山 田 新 一(東京経済大 経済)
山 口 耕一郎(日本大 薬学部)
土 屋 宏(東京電機大)
大 友 久 雄(横浜国大 工)
仙台興譲館
ここ杜の都仙台は4月に入り突然の雪に見舞われ、春から冬に逆戻りしたような気候が続いています。12年ぶりという季節はずれの雪のおかげで、北上を続けていた桜前線は、一時足ぶみを余儀なくされたらしく、桜の花が開くのは幾分おくれるもようです。そうはいっても、これからは日増しに春めいおていく一方でしょうから、西公園にて寮生の花見の宴が催される日もそう遠くはないでしょう。
このような季節に寮は新たに8名の仲間を迎え入れました。昨年、今年と退寮生か多く、さびしさは隠しきれませんでしたが、新寮生が近年になく多かったこともあって、寮は幾分明るさを取り戻しつつあります。これら8名の新寮生は、これからコンパ、合ハイなどの行事を経験するにつれて、新しい生活にも慣れて寮に新しい風を吹き込んでくれるでしょう。
最近、風呂場、水道など、寮内の一部の設備の改修が行なわれました。以前から不便さを感じていた寮生にとっては、ありがたいことであり、一同大変嬉しく思っております。これで寮の雰囲気も明るくなり、生活も一段と楽しいものとなることでしょう。
しかし、嬉しいことばかりあるはずがなく、寮生の生活を圧迫するものは少なくないのです。とりわけ寮費の値上げは大きな問題です。物価の高騰には勝てず、食費をはじめとして諸寮費の大幅な値上げはさけられないものとなりました。下宿やアパートに比べればまだいい、というような話もありますが、本代、学用品代の値上げなども数え合わせると、寮生活といえどもそんなに楽ではないのが現状のようです。話はかわりますが、昨年度は寮としての行事は、すべて予定通りに行なわれ、おまけに有志によるXマスパーティも開催されるなど、一段と楽しい内容のものとなりました。寮生全員が集まってレクリエーションをする機会が少ないだけに、春と秋の合ハイのときなどは、青空の下で無邪気に動き回ったものであります。今年も新歓コンパを皮切りに、諸々の行事が予定、計画されておりますが、昨年にも増して一段と楽しい内容にしようと係のものも張り切っているようです。
また、天気のよい日などは、広瀬川の川原や、寮の中庭に出て、日頃の運動不足を解消するかのようにスポーツに興じる姿が見られたものです。これから暖かくなるにつれて、今年もこんな姿が見られるようになるでしょう。
ところで、この度、桑島館長がおやめになることになりました。在任中には有為なる講演をしていただいたこともあり、館長として寮生のことを親身になって考え、指導をして下さった桑島館長が、おやめになってしまわれるということは大変残念なことでありますが、いたしかたありません。長い間、御苦労さまでした。桑島館長には寮生一同深く感謝しております。これからは、それぞれが寮の一員であるという自覚を新たにし、以前にもましてがんばっていきたいと思います。
最後に寮生を紹介して終わります。
佐 藤 政 司 東北大 理(大学院)
安 部 俊 明 東北工大
上 杉 則 彦 東北大 工
佐 藤 茂 次 東北大 農
星 裕 之 東北福祉大
我 妻 広 司 東北福祉大
渡 辺 雅 訓 東北工大
鈴 木 祥一郎 東北大 理
後 藤 則 夫 東北大 工
錦 斗 美 夫 東北大 農
船 山 政 志 東北福祉大
梅 津 仁 司 東北大 工
吉 村 浩 東北大 経
以下は新寮生
佐々木 泰 次 東北大 工
遠 藤 周 東北大 文
槇 山 正 春 東北大 文
清 水 潤 東北福祉大
高 橋 邦 彦 東北福祉大
嶋 貫 良 一 東北大医療技術短大
今 井 邦 夫 東北大歯科技工士学校
漆 山 茂 東北学院大 文
札幌興譲館
冬には大雪と異常寒波にみまわれたエルムの街札幌も、4月に入りめっきり暖かくなってきました。もうすぐライラックが咲き乱れ1年中で1番美しい季節を迎えようとしています。今年度は、3人の新入生と大学院生1人を迎えました。毎年新入生は、新鮮で若々しい印象を与えてくれます。下旬には恒例の新入生歓迎コンパが行なわれる予定です。いつの年も新入生には一番恐れられ、また2年生には仕返し的なところのある寮生総参加の最初のコンパであります。
昨年度は、なんと言ってもダンパで始まりダンパで終わったと言えるぐらいダンスパーティの多かった年でありました。それもその大半のパートナーが昔から(?)のつきあいである静和寮であったということは、寮生各々にどんな下心・未練があったのか今さらに思い出してみますと、たいへんこっけいにさえ思われます。また秋には、一昨年は行なわれなかった旅行があり、積丹半島南海岸のひなびてはいるがたいへん海の幸が豊富な朝日温泉に1泊し、次の日には海岸沿いを半日ブラツキ寮内とはまた異なった雰囲気の中で語り合い、また大いに飲み、寮生の親睦を深めました。今年3月には、卒業生4人を送る追い出しコンパが行なわれました。樽酒を囲み大いに飲み、歌い、隠し芸も出て、さらにストームで荒れ狂い久々に吹っ切れた盛大なコンパでした。コンパずくめの文章になりましたが、昨年は実に行事が活発に行なわれた年でありました。
次に、多くの方々の御協力を得て、昨年の北大百周年に合わせ米沢寮同窓会を設立することになりましたことを報告させていただきます。10月の設立総会には、遠く本州からも諸先輩方がみえられ、終始なごやかにまた色々な寮の思い出や若かりし頃の楽しい話をお聞きすることもでき、たいへん有意義な総会でありました。
それでは、最後に寮生を紹介させて頂きます。
大学院生
岡 崎 修 三 北大 理学部
鈴 木 啓 助 北大 理学部
4 年 生
松 田 正 北大 工学部
横 山 昭 則 北大 文学部
3 年 生
久 松 宏 志 北大 法学部
川 崎 史 郎 北大 農学部
丹 野 久 北大 農学部
奥 山 信 也 北大 工学部
2 年 生
鈴 木 高 志 北大 教養部
五十嵐 敏 彦 北大 教養部
後 藤 紀 夫 北大 教養部
笹 原 幸 也 北大 教養部
1 年 生
佐久間 雄 三 北大 教養部
五十嵐 武 徳 北大 教養部
佐 藤 清 二 北大 教養部