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米沢有為会会誌復刊22号(昭和48年6月)
興譲館だより(昭和48年、1973年)

東京興譲館

 ここ調布は桜も散り、青葉が繁る、1年中で1番美しい季節をむかえています。
 さて当寮では、11名の有為なる諸先輩を社会に送り出し、新たに14名の新寮生を迎えました。2月末は人の消えたような寂しさでしたが、今はフレッシュマンたちの輝いた顔が活気を呼びさましております。まだ慣れない点が多くまごついているようですが、その若さと新鮮さ、そして旺盛な食欲は将来の興譲館を背負ってくれるのに十分なものでしょう。
 昨年1年間は当寮にとっていろいろ問題の多い年でしたが、特に、昨春、梅津おばさんが辞められて間もなく、3年間、お世話をおかけした矢野おばさんもお辞めになられ、この春、遠藤おばさんがお入りになる間、田中おばさんお一人にご迷惑をおかけしましたが、田中おばさんも、今春お辞めになられ、現在は遠藤おばさん1人に食事の世話をおかけするという悪循環に、頭を痛めております。その他もろもろ問題をかかえ難しい時期にある当寮ですが、寮生は大変元気で、恒例の山形県5寮対抗野球大会、睦寮との合同ハイキング、寮祭の一環としての学年対抗駅伝大会、バレーボール大会など、昨年中も活発な活動を続けました。また恒例の寮の旅行も、春は房総勝浦、秋は猿ケ峡へと行き、寮内とはまた異なった雰囲気で、大いに飲み、また語り合い寮生の親睦に大いに貢献したものと思います。
 このようなスポーツや、遊びばかりではなく、勉強の面でも、個人個人しっかりとした意志を持ち学内、学外をとわず十分に勤勉であるように思えます。
 多くの問題を抱える70年代の社会、大学において今にも崩れそうな1人1人の意志を、我々寮生は、寮生活の基盤の上に立ち、若人としての意識を失わずに、互いに助け合い、励まし合いながら、学問、スポーツはもとより、よりよい社会人となることを目的として、毎日の、楽しく有意義な寮生活をおくっています。
 それでは最後に寮生の紹介をして、ペンをおきたいと思います。
○4年生
 後藤 純明  明大 文
 豊野 保文  東薬太 薬            
 福島  実  東経大 経
 渡部 秀丈  駒火 経
 武田  篤  青学大大学院 生物科学
○3年生
 安藤 吉良  日大 法
 今井 良之  明星大 理工
 菊地 隆雄  大東文化 文
 島倉 静夫  専大 商
 鈴木 寿一  明大 商
 鈴木 浩美  明大 法
 田村 敏文  明大 工
○2年生
 遠藤  稔  日大 法
 尾形 賢二  中大 文
 小野 庄士  東教大 理
 貝沼 孝二  東大 文I
 後藤  茂  法大 工
 駒形 吉則  中大 法
 志田 芳宏  中大 理工
 島津 清美  立大 法
 鈴木 和行  明大 経営
 塚田 富夫  早大 教育
 長瀬 照文  中大 理工
 平賀 悦男  法大 社
 船山 現人  明学大 経
 古山  満  日大 法
 山口 徳芳  明大 政経
○1年生
 青木 厚夫  専大 経営
 安部 善明  早大 法
 川口 信也  青学大 経
 北野 良一  慶大 法
 長  俊彦  星薬大 薬
 寺島  博  電通大 電信
 本間 敏治  専大 経営
 真石 博文  専大 経営
 森谷 国弘  東教大 農


仙台興譲館


 陽春の頃、会員諸氏にはいかがお過ごしのことでしょうか。当仙台興譲館にては新入生7名を迎えて新学期の華やいだ気分でいっぱいであります。玄関前の桜の花も満開で、また近くの公園、寮の中庭では寮生有志がそれぞれ夜桜見物などをして楽しく過ごしています。
 昨年は例の如く新歓コンパで始まり、春の合同ハイキング、部屋替えコンパ、秋の合同ハイキング、忘年コンパ等相変わらず活発に送った次第です。秋の合同ハイキングの時などは、仙台駅に帰り着いてからも双方別れが寂しくてか、いくつかのグループに別れて夜の町にくり出すという場面が見受けられました。また、今年の新年コンパは卒業生追い出しコンパと兼ねて行なわれましたが、卒業生は僅か3人ということで少し寂しいコンパになってしまいました。それでも卒業生の皆さんに少しずつ卒業生としての話しをしてもらったりしてなごやかに過ごしました。
 学校の方は昨年の様な異常事態も起こらず新入生も落ち着いて勉学に勤しんでいる様です。また上級生の方は数人が3年に進級しましたが、東北大の場合、昨年の影響(試験ボイコットによる単位のとり落とし)がまだ尾をひいておりまして進級できなかった人もおりますが、勉学の方は昨年にも増して一生けんめいやっております。
 なお館長の桑島先生にはコンパにもよく出席していただき、支部長の小松さんには庶務の方でもいろいろとお世話になりましてありがとうございました。
では最後に寮生を紹介させて頂きます。

  大学院生
 海野 洋  東北大 理学部
  3年生
 佐藤 祥一 東北大 工学部
 青木 隆生 東北大 工学部
 大浦 真行 東北大 工学部
 関   猛 東北大 文学部
 安久津 徹 東北大 理学部
 鈴木 益夫 東北学院大 経済学部
  2年生
 遠藤 雅弘 東北大 経済学部
 大場 正博 東北大 工学部
 高橋  省 東北大 工学部
 渡部 明夫 東北大 工学部
 金内  斉 東北大 工学部
 清水 智誠 東北学院大 経済学部
 高橋 修一 東北工大
 宮崎  努 東北大 工学部
 山口  浩 東北大 工学部
 渡辺 雅訓 東北工大
  1年生
 安部 俊明 東北工大
 石塚  諭 東北福祉大
 小浦今朝雄 東北大 工学部
 佐藤 政司 東北大 理学部
 竹田  吏 東北工大
 皆川 敏郎 東北大 経済学部
 武藤  司 東北工大


札幌興譲館

 ここ最北の都札幌もようやく、4月を迎え日増しに暖くなってきました。
 そろそろ札幌名物の馬ふん風が春を感じさせます。昨年は、冬季オリンピックが開催され、町の中も、一層百万都市としてふさわしく、整備されてまいりました。オリンピックの遺産である地下鉄や地下街、そして大きなビル群を見るにつけ、ここ2~3年の変ぼうには目を見はるものがあります。
 さて、今年は遅くなりましたが、3月の初めに当寮恒例の追出しコンパが行なわれました。卒業生が2人と、いつもよりはちょっと少ない追出しコンパでしたが、会は盛大におこなわれました。参加者も昨年卒業した人が全部出席して下さいまして、例年になく多い年でした。会は、終始なごやかに、そして昨年卒業した人は、社会人1年生として、卒業生を激励している姿もチラホラと......でした。それから、ここ2~3年途切れていた寮の旅行を、今年は1泊2日で積丹半島の一部をまわって、また再開しました。行った日は、あいにくの雨降りでしたが、次の日は、秋晴れのよい天気となり、非常に楽しいものでした。
 現在、当寮では長い間お世話して下さいました伊藤弥助館長さんがお辞めになりましたので、館長さんが、まだ未定で早く見つけなければならないと思っています。
 それでは最後に寮生を紹介してペンをおきます。

  ○大学院生 山水史生(理学部 地物)
  ○今年度卒業生
   理学部 酒井信秀  工学部 伊藤勝
  ○4年生(予定)
   教育学部 加藤三雄  農学部 小沢正明   獣医 大滝俊彦
  ○3年生(予定)
   工学部 平田透、遠藤一栄  農学部 鈴本吉行 海老名寛
  ○2年生(予定)
   教養 逸見英男 福崎正史 孫田敏
  ○なお現在新入生の入寮選考をおこなっています。

 さて、昨年度は当寮にも3人の新入生と大学院生1人を迎えました。新入生の神妙な顔つきを見て、自分もあんな顔をしてはいってきたのだなあなどという思いが、なつかしく感じられました。その新入生も今では、すっかり寮や大学の生活にも慣れ、まさしく大学生と感じられるほどに成長(?)してきたようです。寮の行事も、寮生全員が張り切ったので例年になく活発で充実した年でした。
 春・秋の恒例のダンスパーティーも、準備をはやくから始めたので、大成功でした。ダンスパーティーが終わってからが、また、たいへんで、静かだった寮の電話が休みなく使われるようになります。寮の話題も、彼女は......なんてそんな話でもちきり。それから、秋には女子寮と芋煮会を藻南公園でやりました。朝から待ち合わせの時間に遅れるやら、肉をわすれてくるやらで、一時はどうなるかと思いましたが、どうやらバレーボールをやったり、ギターに合わせて歌をうたったりして楽しい1日をすごしました。


興 譲 館 大 会 予 告
 
東京、仙台、札幌各興譲館の寮生が夏休みに米沢に帰省した折に一堂に集まり、興譲館高校の施設をかりてスポーツに興じ、その晩は旅館に泊って、青春のエネルギーを発散し合っています。これが各興譲館寮生の親睦を深めようという主旨のもとで毎年行なわれている興譲館大会というものです。主催は、仙台、東京興譲館の交代でやっておりますが、都合で今年も東京興譲館の主催となりました。2人の担当幹事をたて、例年に増した企画で取り組んでいます。どうか皆さんこぞって参加して下さい。最後に先輩の皆様にもぜひ御参加して頂き、いろいろお話ししていただければ幸いです。