米沢有為会会誌復刊19号(昭和45年8月)
興譲館だより(昭和45年、1970年)
東京興譲館
調布の梅雨は今が盛りである。早く明るい太陽の顔を見たい今日このごろです。当寮では8名の諸先輩を社会に送り出し、新たに15名のフレッシュマンを迎えました。今年の新舎生は現代っ子気質をいかんなく発揮し、寮生活に対して何のとまどいも見せることなく、積極かつ明朗にとけこんだ様です。まことにたのもしい限りである。そしてクラブ活動など広い分野にわたり活躍している様子です。
今年は4年生が少なく下級生に圧倒される様な時もあります。恒例の合同ハイキングは看護寮と野猿峠に行き、さらに寮の春旅行は富士五湖に行きました。2つとも天にめぐまれ楽しい各々の青春の1ページとなったことでありましょう。
6月中旬は寮のバレー大会などが開かれ、日頃の運動不足を解消するかの様な好プレー、珍プレーが見られました。技術の上手、下手よりも、若さがあったこと、明朗さがあったことが、何よりの収穫であった様に思われます。
さらに70年を反映するかの様に、当寮において安保研究会なるものが開かれ、積極的な議論が行なわれております。我国の将来の進路を決定するこの大問題に、学生らしいまじめな態度で日夜論争している様子です。
矢野、梅津、両おばさんは、寮生の親がわりの様なもので、ズボンのほころびやら、ワイシャツのアイロンかけ、さらにはケガの治療までしていただき、寮生はいつも感謝している様な次第です。
時には寮御出身の先輩方がおいでになり共に酒をくみかわして、種々の忠告やらをお聞しております。この様な若いエネルギーを満載した興譲館号は激動の70年代に力強く歩んでゆきたいと思っております。
最後に現在の舎生を紹介してペンを置きたいと思います。
4 年
川 合 勝 雄 教育大 理
菅 野 憲 幸 中大 法
庄 司 芳 彦 明大 商
鈴 木 和 美 青学大 法
兵 庫 等 中大 理工
3 年
伊 藤 秀太郎 明大 法
大 場 明 東大 理二
川 越 治 中大 商
関 博 東経大 経
武 田 篤 青学大 理工
中 川 了 上智大 外
長 沼 健 明大 工
福 崎 進 工学院大 工
横 山 敬一郎 明大 工
我 妻 武 史 日大 社
渡 部 良 助 中大 商
2 年
伊 藤 隆 明 東経大 経
稲 毛 正 夫 専大 経
伊 藤 真 明大 法
加 藤 透 早大 理工
加 藤 善 広 中大 商
金 子 哲 法大 工
佐 藤 俊 治 早大 商
佐藤 憲 一 慶大 商
鈴 木 正 志 北里大 衛生
鈴 木 均 早大 文
戸 田 直 博 専大 経営
長谷部 純 一 慶大 法
山 上 了 史 国学院大 文
横 沢 憲 治 国士館大 工
吉 田 俊 一 慶大 法
渡 部 達 雄 明大 商
渡 部 幸 雄 国士館大 政経
1 年
太 田 伸 二 東海短大 工
神 尾 啓 司 二松学舎大 文
香 坂 洋 一 東農大 醸造
小 林 暁 美 亜細亜大 法
鈴 木 信 幸 中大 経
豊 野 保 之 東薬大 薬
平 吹 度 夫 東大 理一
福 島 実 東経大 経
山本 和 夫 東経大 経営
渡 部 秀 丈 駒大 経
大学院
佐 藤 正 義 都立大 法
村 上 晃 一 慶大 工
副館長
井 熊 征 一 早大 法
仙台興譲館
ここ杜の都仙台では、この所、3日に1度ぐらいの割で雨が降り、まだ6月の初旬だというのにこのままつゆに入ってしまうのではないかと思われるような天気が続いています。でも、一雨降るごとに、大学構内や青葉通りの木々が一層その葉のあおさを増し、葉陰からもれる太陽の光が夏の近いことを教えてくれます。
さて、当寮では、2月に恒例の追い出しコンパで有能な諸先輩を豪快に"追い出し"、あらたに、4月に8人のフレッシュマンを迎え入れました。最初のうちは、歓迎コンパでどぎもを抜かれたりして、おどおどしていた彼等でしたが、最近はもうすっかり寮生活に溶け込み、各々の個性をいかんなく発揮して、寮全体が若返った感じです。
恒例の春のピクニックは、某女子大との合ハイというかたちで、奥松島へ行きました。 浜辺の白い砂の上で、初夏の太陽の光を浴びながら、フォークダンスをしたり、ゲームに興じたり、夫々楽しく過しました。 特に4年生は、老体であることを意識してか、若返ろうとたいへんハッスルしていたようです。

さて、安保条約の改訂期である6月を迎え、大学内でも色々な問題が生じて、騒然とした雰囲気になっていますが、寮内でも、先輩対後輩で熱心な討論が行なわれています。
また、寮内文集"ミスカントス"の発刊など、文化的活動も積極的に行なわれています。
冬の間は、唯一の娯楽としてマージャンに大変人気があったのですが、気候の良くなった近頃は、休日ともなると、広瀬川の河原で野球やサッカーなどをして運動不足を補っているようです。
それから、今年度より、前仙台興譲館々長の米地秀三さんに代わり、新たに、東北大教授の桑島治三郎先生が就任されました。前館長の米地さんには、いろいろお世話いただき、寮生一同深く感謝いたしております。
また、新たに館長に就任されました、桑島先生は、寮生のことを、たいへん心配して下さって、休日やコンパの時に寮に見えられ、いろんな面で、寮生の良きアドバイザーとなられています。
大分夜もふけてきました。どこからともなく、美しい曲が流れています。
では最後に、寮生を紹介してペンをおきたいと思います。
4年生
衣 袋 貞 雄 東北大工学部
遠 藤 光 広 東北大理学部
金 田 裕 和 東北大理学部
笹 木 邦 明 東北学院大学経済学部
高 橋 良 見 東北大理学部
竹 部 憲 次 東北学院大学経済学部
半 田 喜代二 東北大工学部
横 井 博 東北大理学部
錦 仁 東北大文学部
3年生
海 野 洋 東北大理学部
高 野 茂 徳 東北大法学部
南 斉 敏 夫 東北学院大学文学部
本 田 政 夫 東北学院大学経済学部
山 口 丈 志 東北学院大学経済学部
2年生
近野 久左衛門 東北大教育学部
佐 藤 祥 一 東北大工学部
沼 沢 幸 雄 東北大工学部
本 間 雄 二 東北大工学部
松 田 孝 東北大工学部
和 田 彰 造 東北大理学部
1年生
青 木 隆 生 東北大工学部
伊 藤 英 三 東北大医学部
大 浦 真 行 東北大工学部
佐 藤 憲 一 東北大工学部
佐 藤 修 二 東北大工学部
佐藤 助右衛門 東北大経済学部
須 貝 英 則 東北学院大学法学部
関 猛 東北大文学部 」
三 原 庄太郎 東北大経済学部
札幌興譲館
6月、7月、8月とこれからは暑い日の続く毎日となりましたが、有為会の皆様は如何お過しでしょうか、札幌を訪れる観光客も次第にその数を増し、北大構内においても、連日のようにクラーク像の前で記念撮影をしている姿が目にとまります。本々の緑の色もその濃さを増し、雨あがりのあとなどは、しっとりとした潤いをもち、その美しさは何とも言えず素情らしいものです。こうした自然界の推移を見るにつけ、その雄大さに感嘆し、また人間社会のことも思い返されるというものです。それでは札幌興譲館の近況を簡単にお知らせします。今年は6人の先輩を出しましたが、この大量の先輩を出したあとだけに、どれだけの新入生でその穴を埋めあわしてくれるのかと、去年のことも思い返して心配になりました。でも出ただけの人数が入寮してくれたので、寮一同ホッとした感じです。やはり新入生が入寮するということは、寮の運営上また寮の雰囲気づくりの上でも大切なようです。
5月17日には道立衛生学院いずみ寮と合同ハイキングを持ち、羊ケ丘にて楽しい(?!)一日を過しました。今年最初の合同ハイキングとあって皆それぞれに期待を抱きバスに乗り込みました。行事を終えての感想としては例年にない豊作だとの噂も寮内にチラホラ。しかし、合ハイに参加した人の胸に去来したものは一体何か? 知るべくもありません。
6月1日の夜から2日の朝にかけての藻岩の山開きには、当寮の初めての試みとして7名が参加しました。あの真暗な山路を、山頂めざして登っていく人間の姿は、アリの社会をも髣髴とさせます。残念ながら、その日は朝日をおがむことはできませんでしたが、各人、満ち足りた面持で、疲れて重くなった足を引きづって降りてきました。

例年の行事として行っている当寮主催のダンスパーティーを今年も6月20日に開催する予定です。他の寮との親交を深めるという意味でも、やはり成功裡に終らせたいと思います。今年は新入生も多く、去年とは違って寮内も若々しい感じにあふれています。この若々しいエネルギーで、これからの寮生活を有意義に過したいと考えています。
最後に卒業生及び在寮生を紹介してペンをおきたいと思います。
○卒業生
相 田 勝 彦(北大理学部)
板 谷 邦 夫(″ 農学部)
遠 藤 栄 吉(″ 経済学部)
平 田 謙 志(″ 工学部)
船 山 隆 寿(″ 法学部)
山 水 史 生(″ 理学部)
○寮生
6年生
藤 倉 良 裕 北大医学部
5年生
岡 田 昌 彦 北大医学部
4年生
斎 藤 興 司 北大理学部
3年生
酒 井 信 秀 北大理学部
小 口 英 吉 ″ 経済学部
伊 藤 勝 ″ 工学部
2年生
安 部 和 夫 北大教養部
関 二 郎 ″
1年生
加 藤 三 雄 北大教養部
渡 辺 総 悦 ″
小 沢 正 明 ″
大 滝 俊 彦 ″
西 塚 克 之 東海大学海洋学部
大学院生
山 水 史 生 北大理学部