<< 一覧にもどる

米沢有為会会誌復刊15号(昭和41年8月)
興譲館だより(昭和41年、1966年)

東京興譲館

 この3、4年、我が東京興譲館のまわりには、高層建築物が建ち続けています。それらの建物と、そして効果的に配された木々の緑が織りなす風情は、整然とした近代都市美を感心させます。反面、コンクリートの灰色とどんよりした空の重苦しさに耐えられず、遠く故郷の緑の続く山々を思い起すこともあります。
 この近代化の波は、新寮への移転に(本部報告にありますように)ともなって、この寮にも押し寄せようとしています。ここは隣の戸山中学の校庭に吸収されることになっており、もう寮の庭にはプールが建造中で七分どおり出来上かっております。近所の子供達に自然公園として親しまれ、アンチ東京的を自任してきたこの一画も、ついに東京化されようとしているわけです。
 このように、今年は東京興譲館にとっては十数年来の一大変革の年となるわけです。新寮へ移る際の我々の心構えといったことは後で述べるとして、このような時期にある我々舎生30名の近況をお知らせしましよう。
 今年は、この地での最後となる卒業生10名を送り、10名の1年生を迎えました。書くことすべて詩になると称する者あれば、酒と水の区別がつかないという強者もあり、西大久保サウンドと称して調子つぱずれの歌をうたう者がいるといった具合で、まさしく十人十色の個性あふれるフレッシュマンの登場です。東京にも、寮という団体生活にももう慣れ、独自の大学生々活を楽しんでいるようです。今年は戦後っ子が舎生の半数を越した年でもあります。
 昨年、前期の試験も終ってホッとした頃、山形県関係5寮の野球大会がありました。昨年この誌上で優勝を御約束しましたが、1回戦大勝しての準決勝、大勝後の気のゆるみからか、僅差で勝ちを譲ってしまいました。スポーツ関係では、同じ頃恒例の学年対抗の駅伝競争があり、人数と若さに勝さる1年生チーム(現2年生)が、かろうじて優勝しました。今年も新寮に移ったら、新コースを開発して大々的に行なう予定です。
 毎年春秋2回、舎生間の親睦をより深めることと、東京周辺の絶景をこの目に収めることを目的として、1泊2日の旅行を行なつています。昨年の11月は甲府方面で、今年の5月は、新入生を迎えて群馬県の万座でした。



 行き帰りの景色もさることながら、旅館でのコンパも楽しい思い出です。酒宴の席のあちらこちらにグループができて、酔うほどに議論が沸騰して来るのです。この雰囲気、寮の良さをしみじみ感じる時です。
 家庭的雰囲気の中で、時間・場所の制約を受けず、専攻・学年を問わず、お互いの納得ゆくまで話し合い、そして切磋琢磨してゆく。これが我々寮に生活する者の特権であり、長い間に育ってきた我が東京興譲館の環境です。各人が考えを述べる場として忘れてならないのに当番日誌があります。2週間に1度の割で部屋に当番が廻ってきたところで、日誌に各人思い思いのことを工夫をこらして書くのです。主張・随想・創作・お知らせやら、ニュース解説・クイズのはてまであり、さながら週刊紙です。また記事に対する批評が書きこんであつたり、時には誤字の訂正までしてあります。日誌から、舎生の新たな個性を発見することができます。
 先に書いた様に、庭にはプールが建造中で、あき地が本当に少なくなつてしまいました。2年程飼っていた犬も、行末を案じてか、家出をしてしまいました。体が存分に動かせないのは苦痛であると体験的に知らされました。しかし、戸山中学の校庭を、時間的制約はありますが、借りられるようになり、テニスやバレーに興じています。庭が狭くなつたとはいえ、ようやくフォークダンスをやれるくらいの広さはありますが、水はけが悪く、近くの看護学院の寮とのフォークダンスも最近ではつぶれ気味です。今年になってからも、合ハイ・読書会等もやりましたが、4年程続いた看護学院寮との交際も正式には今年が最後です。連絡員の手でお別れパーティーが計画され、実施に移されようとしています。
 歩くと振動を起こす2階(2階に移った当初は船酔のような感じに悩まされたのですが、今ではゆりかごと同じ作用と感じられるようになりました)。バレー・サッカー・野球にあらんかぎりのエネルギーを、汗を出し、フォークダンスに興じた庭(まさに若者共の夢の跡です)......。もう数ケ月でこの建物を、この土地を離れると思うと哀惜の念がふと頭をもたげて来ます。しかし一方では、我々の夢は調布に建つモダンな4階建の新寮での生活に飛んでいるのです。定員が48名と規模が拡大しても、今までの寮の長所をそっくり移し、今までどおり運営をスムーズにやるにはどうすべきかと、話し合いを重ねています。そして、今まで同様すべて我々の手でうまく運営できると、ますます自信を強めています。
 最後に7月現在の舎生を紹介してペンを置きます。(K)
    ○新入舎生(1年生)
遠 藤 政 彦   東京工業大
川 合 勝 雄   東京教育大理学部数学科
佐 藤 真 人   早稲田大商学部
鈴 木   章   東京外語大独語学科
平     隆   武蔵野美術大産業デザイン科
高 野 和 男   早稲田大法学部
田 中 良 朔   早稲田大理工学部電気工学科
棚 橋 千 秋   法政大法学部法律学科
橋 本 敬 半   東京経済大経営学部
山 田 幸 生   東京工業大
    ○ 2 年 生
斎 藤 文 宏   日本大法学部
酒 井   貴   東京工業大数学科
菅 原 弘 臣   東京外語大英米語学科
鈴 木 常 夫   国学院大文学部史学科
中 条 良 文   東京歯科大
沼 沢 弘 之   慶応義塾大法学部政治学科
村 上 晃 一   慶応義塾大工学部電気工学科
山 本 昌 伸   日本大文理学部地理学科
    ○ 3 年 生
伊 藤 秀 靖   中央大理工学部電気工学科
大 滝 則 忠   東京教育大文学部法律政治学科
加 藤 国 雄   東京工業大経営工学科
坂 元 典 夫   芝浦工業大機械工学科
高 橋 丈 夫   武蔵大経済学部
    ○ 4 年 生
安 部 洋 司   法政大社会学部
五十嵐   宏   東京教育大教育学部教育学科
佐 藤 陞 三   慶応義塾大経済学部
手 塚   修   早稲田大理工学部電気工学科
豊 原 重 良   中央大商学部
中 島 正 臣   早稲田大理工学部応用化学科
平 山 和 博   東京工業大応用物理学科

仙台興譲館

 森の都仙台の中心部より、やや西よりにぱずれた広瀬川流域の閑静なところに我々の寮がある。周囲には伊達六十二万石の居城であつた青葉城をはじめとして、八本山動物園、東北大学理学部付属植物園等々、すばらしい散歩・ハイキングコースがあり、環境の点では全く申し分のないところに位置しております。建物こそ古く、みすぼらしくなつているが、ここから毎年毎年有為な人材が続々と巣立つてゆくことを思えば、要は上辺ではなく中味の問題であるという感じを起させます。
 さて今春も例年の如く、金田(医)・五十嵐(工)・大滝(工)・本村(工)・沼沢(工)・千喜良(理)・蔵田(理)・豊野(教)・高山(宮城農業短大)の諸兄を社会に送り出し、代って9名の若鮎の様にハツラツたる新入寮生を迎え、新たな雰囲気、新たな結束のもとは、活気のある充実した生活を送っております。
 以下我が寮の近況を御紹介します。

○寮母さんが代ったこと
 去年から今年にかけての、我が寮の最大のできごととして寮母さんが代ったことがあげられる。去年の11月頃、寮母さんから「家庭の事情のため3月かぎりで罷めさせて下さい」との申し入れを受け、我々としては、ここ十数年の間、我々の寮のために尽してくれたベテラン寮母さんに去られるのは、非常に残念であつたが、やむを得ない事情なので、それを承諾することになり、その結果、新しい寮母さんを捜す事が、緊急のこととして我々の上に被いかぶさってきました。そこで総務を中心として寮生全員が一丸となつて寮母さん捜しに奔走することとなりました。折からの人手難で初めのうちは適当な人が見つからず、途方に暮れていたところ、幸にして2月ころ同郷の人が来てくれることとなり、ようやく3ヵ月にわたる寮母さん捜しに終止符を打つことができ、目下、新寮母さんとより良き寮とするためいろいろ話し合っているところです。

○町内会参加のこと
 4月の寮生総会において、寮生の一部から我々の寮は町内費を納めているのに、今までは全然、町内と交渉を持たず、孤立して来たが「我々も町内の一部に住んでいるのだから、進んで町内の規則に従い、また進んで町内行事に協力し参加すべきじゃないか」と言う意見が出されました。尤もな意見なのでそれについていろいろと討議した結果、取り敢えず試験的に、5月の町会から代表を送り込んで少し様子を見ようということになり、先日、第1回目の代表を派遣しました。幸い町内会の方も我々の代表を快く迎えてくれ、今後一致協力して町会活動をやつて行こうということとなり、今後寮と町会の意志の疎通をはかる上で重要な役割を果すことになるでしょう。
 またこれとは別に、今年から町内の人々との親睦を深めるため、我々の寮が中心となつて各種スポーツ(野球・バレー)の親善試合を行なうこととなり目下その方法等を考慮中で、その成果が各方面から期待されています。

○芋煮会・ピクニック
 毎年恒例の秋の芋煮会は、昨年の10月下旬、仙台西南の大倉ダムの辺で行なわれました。美しく紅葉したあたりの山々を映した湖面を見ながら、懐しい故郷の味に舌つづみを打ちながら食べるのは、何物にも代えられないすばらしいものでした。
 次に春のピクニックの方は今春の5月中旬に松島・大鷹森方面に行って来ました。あいにくの薄曇りで、時々小雨のぱらつく天候でしたが、そこは若人の集まり、天候なんかは問題とせず、フォークダンス・各種のゲーム等に若々しいエネルギーを発散させ、楽しい1日を過ごして来ました。今回は女性の参加者が三十数名と例年になく多数でしたが、これは興譲館主催のピクニックに対する人気、評価が年々向上していることを示すもので、このような伝統ある行事を今後ますますより良きものに育てて行きたいものです。

○文集作成のこと
 寮における数少ない文化活動である文集作成は、創刊以来着実な歩みを続け、はや4号を数えるに至りました。ところがこの着実な歩みの中に1つの問題が生じて来ました。つまり次第に文集に載せる作品の提出者が少なくなつて来て、文集編集の意義が薄くなつて来つつあるということです。そこで4月の総会において、もう1度、文集作成の意義、必要性について検討したところ、「文集の作成は寮生相互の理解・親睦を深めるのに役立ち、かつまた理科系の学生の多い(寮生の90%以上が理科系)当寮において、このような文章を書く機会を持つことは非常に有意義であるから、寮生全員が協力してこの文集をすばらしいものに育てて行こう。」という結論に達し、目下、「雨降って地固まる」の格言の如く、編集委員を中心に「5号」の7月完成を目指して邁進中である。

大倉ダム辺りでの芋煮会

○裏庭整備のこと
 寮の裏手には、運動するに手頃な広さの庭があつて、今までもそこで少しは運動を行なつて来たが、整地が不十分であつたため、ガラス破片・古クギ・小石等があつて運動するには極めて危険な状態でした。ところが今春これに見兼ねた新入寮生を中心とする一部有志が新学期早々、整地に乗り出し、すばらしいコートを作り上げました。おかげでそこで、ネットの代りに太いロープを張つてインスタントバレーボールが出来る様になり、毎日、帰寮後暗くなるまでそれに熱中しております。
 最近、仙台市恒例の「お母さんバレーボール大会」に参加する近所の奥さん連中も加わって一緒に練習しており、今ではコーチ格の寮生側と互角に戦える様になり、大会での活躍が期待されています。

 以上去年から今年にかけての寮の近況を紹介してきましたが、最後に新入寮生及び寮生を紹介して筆を置くとととします。

   新入寮生
 小 林 晄 徳   東北大学工学部
 鈴 木   寛   東北大学工学部
 田 中 俊 夫   東北大学工学部
 岡 部 寛 一   東北大学工学部
 神 保 正 行   東北大学工学部
 芳 賀 彦 一   東北大学理学部
 高 橋 良 見   東北大学理学部
 大道寺 七兵衛   東北大学医学部
 手 塚 宮 雄   東北大学文学部
 遠 藤 征四郎   東北大学農学部聴講生

   2   年
 安 部 孝 二   東北大学工学部
 島 津 博 徳   東北大学工学部
 松 田   修   東北大学工学部
 伊 藤 庄 一   東北大学工学部
 加 藤 義 彦   東北大学工学部
 滝 口 政 彦   東北大学理学部
 伊 藤 和 夫   東北大学理学部
 片 倉 俊 彦   東北大学医学部付属X線技師学校
   3   年
戸 田   隆   東北大学工学部
松 本 耕 輔   東北大学工学部
高 橋 英 機   東北大学教育学部
田 中 健 治   東北大学工業教員養成所
遠 藤 秀 樹   東北大学工業教員養成所

   4   年
小 口 柾四郎   東北大学工学部
佐 藤 正 昭   東北大学工学部
平 吹 隆 一   東北大学工学部
江 田   昭   東北大学理学部
情 野 晃 一   東北大学理学部


札幌興譲館

 物価がどんどんあがっても、ベトナムの戦争が続いても一番いい季節がめぐって来ました。寮の庭では桜と梨の花が散ったあと、ライラックが満開です。もうすぐスズランが咲き出し、カッコウが窓のすぐ側で鳴き出しますから自然と心ときめいてきます。
 このように恵まれたはるか蝦夷地より同じ興譲館の皆さまに札幌の近況をお知らせします。

☆卒業生・新入生
 3月に平井利昭、高野文彰、蛙藤喜十郎の偉大なる先輩を追い出し、4月には厚顔カレンな4人の1年生を迎えました。早速開かれた歓迎コンパでも平然と構え大いに頼もしく、また末恐ろしく思い、ドンブリ酒を飲んで頂きました。今では4人ともすっかり慣れサボるコツも覚えてきたようです。

☆オリンピックのこと
 6年後の冬季オリンピック札幌開催が決定しました。会場・交通・宿舎などをどうするかと札幌市ではようやく本腰を入れ始めたようです。札幌も日本の一部であり、その例にもれず悪路の街ですから、恐らく得意の急ピッチで何とかなることでしょう。

☆寮の改修のこと
 有為会本部の方から改修工事のお話があり、先日、臨時寮生総会が開かれました。近年、北大入学者が増え、遠く北海道に来たのに3、4人だけを入寮させないのはかわいそうという訳で定員12人の寮に現在16人入っています。この狭くなったという事実の他に40才のこの寮も応急処置だけでは間にあわない部分も出て来ました。
 こういった矢先、改修のお話があったので寮生それぞれ実現を願いつつ希望を述べあいました。
 
 ☆北大大学祭のごと
  6月3、4、5日と恒例の大学祭が開かれました。今年のスローガンは『小さなつぶやきを大きな声に』ということで各種研究発表、シンポジウムの他、仮装行列、模擬店等今年も大いに話題を呼びました。今年の仮装の主役はオバQで人気絶頂の愛らしさで市街をパレードしました。もうひとつ、今年は各クラスでやる模擬店が構内ところ狭しと乱立しました。その種類も喫茶店・おでん屋・綿あめ屋・ビヤホールから金魚すくい屋まで結構繁盛の様子でした。うわさでは、1店の最高売上げが30万円だったとかで、税金なしで大分儲かったようです。

☆寮生の読書
 読書にも時の流れが感じられます。カタイところでは去年の朝鮮ものから今年は文集・歴史の全集ものが読まれています。ヤワラカイところでは、昨年の夏までは影丸やアトムの単行本が読まれましたが、そのあとはサンデーが圧倒的に強力で「○○さん電話ダヨーン」「メシ出来たジョー」という具合でした。
 ところが今年の春頃から "おそ松くん" や "オバQ" がマンネリ化し、"ハリスの旋風" や "巨人の星" を有するマガジンにだんだん人気が集ってきました。なおこの傾向は北大生の全体の読書傾向をリードしている感じです。こんな点にも、興譲館寮生の感覚の鋭さが現れているようです。

☆寮の旅行
 毎年、秋には寮生の一泊旅行が行なわれています。一昨年は支笏湖・恵庭岳(オリンピックの滑降予定地)に、昨年は洞爺湖・昭和新山に大いに羽根をのばして来ました。今年は「大雪に熊狩りに行こう」とか「阿寒にスケートに行こう」とかオリンピックを控えて雄大な案が続出して係は困つています。

☆寮内麻雀について
 寮内では一切掛けごとはやらないという申し合せで、寮生の麻雀は専ら親善麻雀です。その代り1冊のノートに点数を書きトータルをとっていますが、3年生2人が断然リードしています。最近のインフレムードの中で御多分にもれず8千・1万2千で常時2ハン付きでドラが増えますから、リーチドラ3で3回もあがればトップ賞が来るという訳です。今日も夕食のあと、誰からともなく、どこからともなく自然メンツが揃つてなごやかな中にも盛んにやつてるようです。なお2月には寮生のリーグ戦が賞品付きで行なわれます。

 こんなふうにして札幌の夜は静かに更けていきます。6月といっても真夜中過ぎたら12度ぐらいにも下がります。しかし16人の寮生は明日の為にそれぞれ勝手な体位で熟睡することでしょう。
 最後に寮生を紹介して札幌からさようなら。(崇太記)
     4 年 生
山 村   勝   北大農学部林学科(ジャマムラさん)
孫 田 忠 誠   北大工学部土木工学科(ソンチュー)
古 沢 友 宜   北大工学部合成化学科(トモタン)
     3 年 生
平 田 謙 志   北大工学部土木工学科(ヘイタロー)
須 藤 誠 一   北大農学部畜産学科(スウタロー)
    2 年 生
相 田 勝 彦   北大教養部理類(ショータロー)
戸 田   剛   北海学園大学経済学部
高 橋 和 子   北大教養部理類(募集中)
平   徳 雄   北大教養部文類(ラタイちゃん)
孫 田 信 一   北大教養部理類(シンタロー)
藤 倉 良 裕   北大教養部医進課程(ベトボー)
板 谷 邦 夫   北大教養部理類(ヨッパ)
    1 年 生
船 山 隆 寿   北大教養部文類(フータ)
遠 藤 栄 吉   北大教養部文類(エロ吉)
岡 田 昌 彦   北大教養部医進課程
山 水 史 生   北大赦養部理類(チビ太)





興 譲 館 大 会 報 告

 毎年、夏休み中を利用して、東京、仙台、札幌の3つの興譲館の舎生か一堂に会して興譲館大会を行なつて来ております。
 興譲館大会は、3つの興譲館が毎年交代で主催して開かれますが、昼はスポーツに興じ、夜は宿を共にして、終夜論を戦わせるなど、同じく米沢有為会のお世話をいただいているもの同士、大いに親睦を深め、そしてまた、大いに人生を語り合おうというものであります。
 昨年の大会は、東京興譲館が主催して、8月20日午前10時から、米沢興譲館高校の体育館とグランドで、若さ一杯、バレーボール、バスケとした。その夜は、小野川温泉春木屋旅館に集まり、湯に一緒に入りながら、夕食をとりながら、はたまたヘボ碁、ヘボ将棋を打ちながら、いろいろと話し合いました。夕食を終つて、昼の軽い疲れと、アルコールの快い作用によつて、うたた寝する人もありましたが、時も経ち、夜もたけなわともなれば、議論も大分沸騰して来ていたような次第です。翌日は、寝不足の目をこすりながらまたの機会を約して、宿を立ちました。
゛尚、小幡東京興譲館長のお計らいにより、この年から興譲館大会の経費の一部を、有為会から補助していただくことになりました。
 今年の興譲館大会は、仙台興譲館の主催で8月22日午前9時から米沢興譲館高校、春木屋で行なわれる予定です。先輩の皆さんにも、できればぜひ参加していただいて、いろいろとお話を
していただくことができれば幸です。